※2023年8月8日16時36分更新
NZドル/米ドル、豪ドル/NZドル、ユーロ/NZドル - 見通し
- NZドルはいくつかの主要通貨に対し、最近のレンジ内で推移している
- NZドルは、ニュージーランド経済成長見通しの悪化と、NZ中銀は利上げを終了するとの見方が重しに
- NZドル/米ドル、ユーロ/NZドル、豪ドル/NZドルの見通しとは?



ニュージーランドの経済見通しが悪化し、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)が利上げを終了するとの見方が強まる中、ニュージーランドドルは上値の重さが目立っている。
5月に利上げは当面見送ると示唆したRBNZに対し、米連邦準備制度理事会(FRB)は将来の引き締めに関して経済指標データに依存するアプローチを示していることから、相対的な金融政策は、米ドルにわずかに有利に働いているように見える。さらに、米国の経済成長見通しはここ数カ月で改善したが、ニュージーランドの今年の成長見通しは引き続き、下方修正されている。
注目は10日に発表される米国のインフレ率だ。6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、6月(同3.0%上昇)から伸びが再び加速した。7月のCPIコア指数は前年同月比4.8%上昇と、横ばいが予想されている。市場は、FRBが9月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で金利を据え置くと予想しているが、(今週のCPI発表後の)9月上旬に、もう1回CPI(8月)の発表と雇用統計の発表も控えており、それが金利決定に影響を与える可能性がある。先週金曜発表の米雇用統計では、雇用の伸びは減速したが、労働市場は依然としてひっ迫しているように見えた。
NZドル/米ドル 日足チャート
資料:TradingView
NZドル/米ドル:下値模索の展開?
テクニカルチャートを見ると、ニュージーランドドル/米ドルは3月以来、0.6000-0.6400のレンジ内で推移している。7月中旬以降、上昇を維持できていないことから、レンジの下限に向けて下落する可能性が高まっている。ブレイクを先取りするわけではないが、5月の安値0.6000を下回れば、下降圧力が強まり、やや下向きに傾斜したチャネル(現在0.5850付近)の下限に向かうかもしれない。
ユーロ/NZドル 日足チャート
資料:TradingView
ユーロ/NZドル:不安定な動きの中で見せる底堅さ
最近の不安定な動きにもかかわらず、ユーロ/ニュージーランドドルは5月以降、やや上向きのチャネルに沿って推移している。重要なのは、価格は主要なサポートを下回っておらず、上昇トレンドが再確認されていることである。最低でも7月末の安値1.7685の初期サポートを割り込まない限り、上昇トレンドが消失することはないだろう。このような下方ブレイクが起きた場合、レンジ幅は1.72-1.81に広がるだろう。
豪ドル/NZドル 日足チャート
資料:TradingView
豪ドル/NZドル:方向性を模索中
年初から続くオーストラリアドル/ニュージーランドドルのレンジ相場に大きな変化は見られない。確立されているレンジは1.05-1.11と幅広い。ただ、この1週間ほどで、レンジは1.07-1.09に縮小した。現在はレンジの下限を試している。結論を出すには時期尚早だが、1.07を割り込めば、1.05前後の幅広いレンジの下限に向かう可能性がある。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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