※2024年4月24日13時04分更新
マイクロソフトの決算発表はいつ?
マイクロソフト(MSFT)は4月25日の米国株式市場大引け後に2024年1-3月期(第3四半期)決算を発表する。何を期待し、何に注目すべきなのかを解説していく。
業績予想と主な注目点
2023年10-12月期(第2四半期)決算と同時に発表された第3四半期の業績見通しによると、第3四半期の売上高は伸びが鈍化すると予想されている。ただ、第3四半期の売上高は608億6,000万ドル程度と、第2四半期(611億3,000万ドル)から減少するものの、前年同期比では約19%増になるとみられる。1株当たり利益(EPS)は2.84ドルと、前四半期(2.77ドル)から増え、前年同期比では27%増加する見通しだ。
インテリジェントクラウド部門の成長続く
マイクロソフトも最近、示したように、クラウドサービス「アジュール」を含むクラウドサービス事業は引き続き主力事業で、第2四半期の「インテリジェントクラウド」部門の売上高は前年同期比20%増の258億8,000万ドルに達する見込みだ。これは、グループ全体の売上高の40%以上に値する。この勢いは第3四半期も続くとみられており、マイクロソフトは、この部門の売上高は260億―263億ドルに拡大すると予測している。
資料:マイクロソフト
AI活用の進展に注目
マイクロソフトのクラウド部門は同社の「至宝」だが、市場から最も注目されているのは、人工知能(AI)の自社ビジネスへの組み込みがどこまで進んでいるかだ。世界で最も価値のある企業として、マイクロソフトのAI活用の進捗状況は厳しく精査されるだろう。
マイクロソフトはチャットGPTなどを開発したオープンAIに多額の投資をし、競合相手が羨む事業提携を同社と結んで以来、AIを自社プロダクトに活用することを優先してきた。論文執筆やコーディングを含め、さまざまな質問に答える能力を持つAIであるチャットGPTが世に知られつつある今、強気の投資家たちは、マイクロソフトのAI統合の進展と、AI分野でのリーダーシップを生かした次の戦略を待ち望んでいる。
業績の足を引っ張る2部門
業績の足を引っ張っているのは、タブレット端末などのデバイス部門と企業向け業務ソフトをまとめた「オフィス」である。これらの部門は前四半期に9%、17%の減収をそれぞれ記録した。PC(パソコン)需要が低迷していることから、この2部門の売上高は第3四半期も2桁台前半の減少が見込まれている。
マイクロソフト株、大多数が「買い」推奨
昨年10月23日から今年3月にかけて38%急騰したマイクロソフトの株価は、第2四半期に入ってからリスク回避の心理が広がっていた影響もあり、頭打ちとなっていた。本レポート執筆時点で同社株は、史上最高値の427ドルから6%超下落した水準で取引されている。
最近の反落にもかかわらず、金融情報提供会社ティップランクス(TipRanks)はマイクロソフトを、市場を「アウトパフォーム」すると見込む優秀銘柄に選定している。一方、34人のアナリストのうち32人が過去3カ月間、買いを推奨している。
資料:IG
日足チャートを見ると、数カ月に及ぶ上昇トレンドラインの下方ブレイクと、2024年以来となる100日移動平均線の下抜けという、さらなる下降トレンドを示唆する2つの重要なブレイクアウトが起こっている。さらに、RSI(相対力指数)も昨年11月以来の低水準まで落ち込み、現在の弱気モメンタムを物語っている。
テクニカル面では、さらなる下降が進むと、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準と以前の高値が収束する379―382ドルのゾーンが目先のサポートとなろう。このサポートを割り込むと、1年以上ブレイクされていない重要な200日単純移動平均線(SMA)を試す可能性が開かれる。一方、上値では最初の目標水準は50日SMAが位置する415ドルとなろう。
マイクロソフト 日足チャート
資料:IG
注意:記載の数値は2024年4月23日時点のものです。過去の実績は将来の実績を保証するものではありません。本レポートには金融商品に関するアドバイスや金融商品の推奨は含まれておらず、また含まれているとみなされるものでもありません。
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