WTI原油価格は、4月に入り、値動きが小さい。イスラエル情勢と高値警戒感がせめぎ合っている。このような中、個人トレーダーセンチメントを踏まえた原油価格の今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値:87.24ドル
下値①:85.00ドル
下値②:83.60ドル
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イスラエル情勢
イスラエルとハマスの戦闘に加え、イスラエル軍によるシリアのイラン大使館周辺の空爆を受け、イランとイスラエルの対立が深まったことが、中東情勢を一段と緊迫化させている。
しかしながら、イスラエルとハマスが休戦に向けた交渉を進めているとの報道や、年初来の上昇に伴う利益確定などの動きも見られ、WTI原油価格の値動きが小さくなっている。
4月に入り、原油価格は上昇しているものの、銀や天然ガス、金に比べ、上昇幅は限定的である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
WTI原油、個人トレーダーの思惑
IG顧客センチメント(IGCS)によると、原油を取引する個人トレーダーの約60%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。半分以上の持ち高は原油に強気のネットロング(原油を買い持ち)に傾いている。
また、昨日、先週と比べて原油に強気のネットロングのトレーダーの割合が増加している。原油価格に対して強気の投資家が増えていることは、逆張り投資の観点では、原油価格の下落を示唆している。
IGCS:原油
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資料:IG顧客センチメント
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、87.24ドルがレジスタンスとなり、反落している。また、上昇トレンドの転換を示唆することがある「同時線」が3日に続き、5日も示現しており、テクニカル面では強弱入り混じるシグナルが点灯している。
地政学リスクや、OPECプラスによる減産などは、原油価格のサポート材料であるものの、個人トレーダーセンチメントに加え、テクニカル面で弱気シグナルが点灯していることから、原油価格の調整を見込む。
原油価格は、85ドルでサポートされるかに注目。サポートされなかった場合、次の下値として23年11月3日高値83.60ドルへの下落が視野に入る。
一方、イスラエルとイランの対立が一段と激化した場合などは、原油価格が上昇する可能性もある。その場合、原油価格は、2023年10月9日高値87.24ドルへの上昇が視野に入る。
【原油価格のターゲット】
上値:87.24ドル
下値①:85.00ドル
下値②:83.60ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著