WTI原油価格は、OPECプラスでの減産延長が確認されたことなどを好感し、4営業日続伸。一方、テクニカル面では、相場の気の迷いを示す「同時線」があらわれた。躍進続く原油価格の今後の見通しとは。
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【原油価格のターゲット】
上値:87.24ドル
下値:83.60ドル
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OPEC、減産目標維持
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど構成する「OPECプラス」が委員会を開催し、現在の減産・輸出削減を、予定通り6月末まで延長することを決定した。最近の原油価格の上昇は、価格上昇を狙って減産を続けるOPECプラスにとって朗報である。
原油供給が今後も絞られることへの安心感や、中東、ウクライナ情勢の緊迫化などを受け、WTI原油価格が4営業日続伸している。
原油価格の4営業日の上昇率は、主要商品の中で、銀、天然ガスに次ぐパフォーマンスである。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
WTI原油:個人トレーダーセンチメント
IG顧客センチメント(IGCS)によると、原油を取引する個人トレーダーの約54%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。半分以上の持ち高は原油に強気のネットロング(原油を買い持ち)に傾いているため、IGCSが逆張り指標として機能することを勘案すると、WTI原油価格は下落する可能性がある。
しかしながら、昨日、先週と比べて原油に強気のネットロングのトレーダーの割合が減少している。逆張り投資の観点では、個人トレーダーのセンチメントはWTI原油価格の上昇を示唆している。
IGCS:原油
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資料:IG顧客センチメント
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、心理的節目である85.00ドルを上方ブレイクした後、相場の転換を示すことがある「同時線」が示現している。RSIも買われ過ぎを示唆する70を超えている。
個人トレーダーセンチメントは明るい材料である一方、テクニカル面で警戒シグナルが点灯していることから、WTI原油価格は上下双方に動く展開を想定したい。
原油価格が上昇した場合、2023年10月9日高値87.24ドルへの上昇を見込む。一方、原油価格が下落した場合、23年11月3日高値83.60ドルがサポートとして機能するかに注目。サポートされた場合、原油価格の上昇トレンド継続との見方を投資家に印象付けよう。
【原油価格のターゲット】
上値:87.24ドル
下値:83.60ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著