※2023年7月25日14時52分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、ボリンジャーバンド、ボラティリティ、アイランドリバーサル、フィボナッチ - トーキングポイント
- ユーロに対する弱気な見方は、いくつかのシグナルがその重みを増している
- イベントリスクが迫る中、ユーロ/ドルの値動きには様々なボラティリティの動きが見られる
- 1.1130はユーロ/ドルの方向性にとって極めて重要な水準。上値を試す展開はあるのか?



ユーロ/ドルのテクニカル分析
7月中旬の高値1.1275を付けたのは、21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの上限バンドの外側だった。
ただ、価格はバンドの内側で取引を終えたため、その後数日間は弱気な展開が続いた。
当然のことながら、ボリンジャーバンドの幅は、価格の戻りが早いと狭まってくる。これは、過去のボラティリティが低下したことを示している。ボリンジャーバンドは、過去の値動きを示す指標である。
同時に、1カ月物アット・ザ・マネー(ATM、権利行使価格が対象原資産の終値に最も近い状態)のインプライド・ボラティリティはじり高状態にある。6月に6%を割り込んだが、今週は7%を上回っている。
インプライド・ボラティリティは、原資産価格の価格変動の度合いを示す。この数値が大きい方ほど、原資産価格の動きが大きく、将来的における価格の不確実性は高まる。
今週は米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合が予定されており、イベントリスクがあることを考えれば、これは驚きではない。
先週21日付記事「ユーロのテクニカル分析見通し:岐路に立つユーロ/ドル、高値圏から後退」で指摘したように、前述したボリンジャーバンドの内側で引けた後、価格は1.1133を割り込み、アイランドリバーサルのチャートパターンが確認されている。1.1133を再び回復すれば、このパターンは無効となる。
アイランドリバーサルとは、ギャップ(窓)を空けるように価格が上(または下)にジャンプした後に再度、下(または上)側にギャップを空けジャンプして戻る値動きのことで、離れ小島のように見えることからこの名称が付けられた。強気または弱気のトレンドが共に強まり、価格行動にギャップがある際に発生する。
ユーロ/ドルが戻り、アイランドリバーサルが無効になると、7月18日の高値と歴史的なブレイクポイントが重なる1.1275-1.1280付近がレジスタンスとなる可能性がある。
さらなる上昇局面では、1.1095から1.0635までの動きのフィボナッチ・エクステンション161.8%の水準1.1380がレジスタンスになり得る。そのすぐ上に位置する1.1385-1.1395のエリアにもブレイクポイントがある。
直近のレジスタンスとしては、1.1076、1.1095、1.1185のブレイクポイントも候補に考えられる。
下値では、1.1031と1.0955のフィボナッチ・リトレースメント38.2%と50%の水準付近がサポートとなる可能性がある。これらの水準間では、1.1012のブレイクポイントがサポートとして特に意識されるかもしれない。
これらの水準の下には55日SMAと100日SMAが位置しており、1.0890-1.0900付近もサポートになり得る。
さらなる下降局面では、1.0830から1.0835の間に一連の過去安値とブレイクポイントがあり、これらがサポートゾーンとなる可能性がある。
ユーロ/ドル 日足チャート
資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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