※2024年4月5日14時49分更新
このレポートでは、ブレイクアウト戦略に基づき、ユーロ/ドルと原油価格の今後の値動きを探る。また、今後数日間で注目すべき主要なテクニカルレベルについても考察する。
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必読：4月5日付レポート「最も流動性の高いFX通貨ペアのトレード戦略とは？ ユーロ/ドル、ドル/円、英ポンド/ドル」
ブレイクアウト取引は、突然の力強い値動きで、確立された価格レンジを突破することから利益を得ようとする人気のトレード戦略である。資産の価格が、このレンジから上方または下方に抜ける値動きのことをブレイクアウトと呼ぶ。この戦略を採り入れているトレーダーは、トライアングルやチャネルなどのチャートパターンで示されることが多い、明確なレンジ内にとどまっている資産に注目している。
ブレイクアウトが重要な理由
ブレイクアウトは多くの場合、買い圧力または売り圧力の流入を意味し、市場心理が変化する可能性を示唆する。ブレイクアウトは、新しいトレンドの始まりを示すこともあれば、既存のトレンドの継続を示すこともある。トレーダーは、価格がブレイクアウトするときに取引を開始することで、勢いの波に乗ろうとする。
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ブレイクアウト取引
ブレイクアウト取引に参入する場合、トレーダーはサポートまたはレジスタンスを少し超えた水準でエントリーすることが多い。こうすることで、ブレイクアウトを確認できる十分な勢いがある場合にのみ、ポジションが有効になる。逆指値注文の設定は、ブレイクアウトが「ダマシ」（誤り）だった場合のリスクを軽減するために非常に重要である。利益の目標水準は通常、レンジ相場パターンの大きさに基づいて値動きを予測するなど、テクニカル分析を使って設定される。
留意すべきポイント
- ブレイクアウトは多くの場合、出来高の増加とともに発生し、その動きが確認される
- ブレイクアウトのダマシも起こり得るため、リスク管理は不可欠
- ブレイクアウトは、新しいトレンドの開始を示すこともあれば、既存のトレンドの継続を示すこともある
さて、重要な水準が無効となった後の突発的な動きを利用したトレード戦略について述べてきたが、ここではブレイクアウトの機が熟したように見えるユーロ/ドルと原油価格（WTI先物）について探ってみたい。
ユーロ/ドル テクニカル分析
ユーロ/ドルは4日に上昇したものの、2023年の下落のフィボナッチ・リトレースメント50%の水準により形成された重要なレジスタンス1.0865を超えることができず、リスク回避の動きが一巡した後、価格はこの水準から後退した。その後、価格は1.0835を上回る水準で安定し、50日および200日単純移動平均線（SMA）をわずかに上回って推移している。
市場のムードが再び改善し、ユーロの回復に弾みがつけば、ブレイクアウト取引をおこなうトレーダーは1.0865に注目すべきだろう。出来高量を伴ってこの天井のブレイクアウトが確立された場合、1.0920近辺のトレンドライン（レジスタンス）に向けて上昇する可能性がある。さらに強含めば、強気派は1.1000の少し下に位置する3月の高値に照準を合わせる可能性が高い。
リスク管理の観点からは、ブレイクアウトに失敗し、前述の移動平均線を割り込んで急反転した場合は、ダマシとなる可能性があるため注意が必要だ。これらの水準を下回ると、弱気へ転換する重要なシグナルが点灯するため、トレーダーは逆指値注文をこれらの単純移動平均線のすぐ下に置くことを検討するとよいだろう。
ユーロ/ドル 日足チャート
資料：TradingView
WTI原油価格 テクニカル分析
米原油先物指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト（WTI）先物価格は2月上旬以来、堅調な上昇トレンドにあり、高値と安値の切り上げパターンが続いている。この上昇により、価格は50日および200日単純移動平均線の上方ブレイクを確立し、中期的に強気な見通しを示している。
しかし、14日RSI（相対力指数）が示すように、相場は伸び悩んでおり、次の上昇局面に入る前に、一旦もみ合いとなる可能性を示唆している。調整局面が訪れ、買われ過ぎの圧力が緩和されれば、ブレイクアウト戦略が可能となってくる。そのような展開を待つトレーダーは、2022/2023年の下落のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準89.00ドルに位置するレジスタンスを注意深く監視する必要がある。
最終的に89.00ドルを突破すれば、上昇の勢いは強まり、心理的水準95.00ドル付近に位置する2023年の高値に向けて上昇する可能性がある。この壁を超えると、フィボナッチ・リトレースメント50%の水準96.92ドルに注目が集まるだろう。一方、弱気に反転した場合は、83.25ドル、79.50ドルが収束サポートとなろう。
WTI原油価格 日足チャート
資料：TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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