※2023年7月20日15時35分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、 米ドル、豪失業率、豪中銀、中国 - トーキングポイント
- 豪ドルは強い雇用統計を受け、68セントを上回る水準まで上昇
- 豪経済が引き続き堅調に推移している兆候が示される中、豪中銀理事会の行く手には新たな光が差してきた
- 市場は来週発表の豪CPIに注目。豪ドル/米ドルの方向性を左右するか?



20日アジア時間のオーストラリアドル相場は、豪雇用統計が発表された直後から上昇し始めた。昨年5月以来、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が政策金利を400ベーシスポイント(bp)をも引き上げているにもかかわらず、豪州経済が依然として堅調であることが示された。
6月の豪失業率は3.5%で、予想および前月の3.6%よりも改善した数値だった。同月の雇用者数は3万2,600人の増加と、予想(1万5,000人増)を大幅に上回った。前月は7万5,900人の増加だった。
注目すべきは、パートタイム雇用者数が6万7,000人減少した一方で、フルタイムの雇用者数が3万9,300人増加したことである。労働参加率は66.9%から66.8%へとわずかに低下した。
RBAは今月初め、政策金利を4.10%に据え置いた。きょうの雇用統計が発表される前、金利先物市場はRBAが金融政策を決定する8月の理事会で利上げに踏み切る確率は低いと見ていた。
発表後、利上げ実施の確率はわずかに上昇しただけだが、市場は年末までに25bp引き上げられると織り込んでいる。
その他の地域では、中国人民銀行(PBOC、中央銀行)がきょう20日、1年物および5年物のローンプライムレートの引き下げを見送り、それぞれ3.55%、4.20%に据え置いた。
市場では、中国は経済を活性化させるためにさらなる景気刺激策を講じようとしているとの憶測が広がっている。
来週26日には、2023年4-6月期(第2四半期)の豪消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグのエコノミスト調査では、6.2%上昇と、前期(7.0%上昇)よりも伸びが鈍化すると予想されている。
同調査では、RBAが重視する同期間のトリム平均値は6.2%と見られている。前期は6.6%だった。
予想が大きく外れた場合、豪ドル/米ドルは乱高下する可能性がある。ここ数週間、多くの企業で法定最低賃金が5-8%上昇したこともあり、インフレに対するRBAの闘いは今後も続くと見られる。
豪雇用統計に反応する豪ドル/米ドル
資料:TradingView
豪ドル/米ドルのテクニカル分析
豪ドル/米ドルは過去5カ月間、0.6459-0.6900の取引レンジにある。先週、レンジの上限のブレイクには至らなかったため、ダブルトップを形成する可能性がある。
0.6920を上方ブレイクすれば、ダブルトップパターンにはつながらないが、この水準を下回れば、弱気の展開となるかもしれない。
レジスタンスは0.6900-0.6920のゾーンにあり、その上にはいくつかの過去の高値が位置する0.7010-0.7030エリアが控えている。
下降局面では、0.6741のブレイクポイントがサポートとなり、その下には過去の安値0.6595がある。さらに下値では、過去の安値0.6565やブレイクポイント0.6547がサポートとなる可能性がある。
資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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