センチメント分析を使用して投資におけるブレイクアウトを探る
IGクライアントセンチメント(IGCS)ツールは、生まれつつあるトレンドの起点に近い部分でエントリーするために、ブレイクアウトの可能性を見つけるのに役立ちます。ブレイクアウトは大きく長期的な値動きにつながることもあれば、長く続かずに元の価格帯に戻る「ダマシ」になってしまう場合もあります。本稿では、IGCSを使用してブレイクアウトを探る方法を見ていきます。



投資で覚えるべき2つの基本的な相場のパターン
プライスアクションはさまざまな道筋をたどりますが、基本的な相場のパターンは2つに分類できます。
- トレンド相場
- レンジ相場または平均回帰
ブレイクアウトは、この2つの状態の分かれ目となる取引期間です。
レンジ相場とトレンド相場については、FXのトレード戦略トップ8で解説しています。
レンジ相場 – 投資におけるブレイクアウト前の状態
レンジ相場は保ち合いが長く続く期間で、価格は下の図が示すようにサポートラインとレジスタンスラインの間の領域で変動します。
取引のイメージ

明確なレンジ相場ではトレーダーはレンジ戦略を採用し、レジスタンスラインでショート、サポートラインでロングを仕掛けます。しかし、このような戦略は、価格に勢いがつきレンジを上または下にブレイクアウトし、新しいトレンドが発生した場合は失敗に終わります。



投資におけるブレイクアウトの基本
ブレイクアウトトには、それに先立ち、もみ合いまたはレンジ相場のプライスアクションがあることが前提です。「ブレイクアウト」という言葉は、レジスタンスラインを突破し、最終的に新しい上昇トレンドとなる鋭い値動きを意味して使われることがあります。「ブレイクダウン」はサポートラインを突破し、新しい下降トレンドとなる下向きの鋭い値動きを言いますが、日本では両方ともブレイクアウトと呼ばれることが多いです。
投資におけるブレイクアウトの魅力
ブレイクアウトは、もみ合いの継続と比べると起きることは少ないです。ブレイクアウトの性質上、現状維持に対し「新しい」何かを探る動きだからです。しかしながら、短期間で大きな値動きとなるブレイクアウトはトレーダーにとって非常に魅力的です。強気のブレイクアウトは、蓄積した需要がレジスタンスラインを押し破り、価格が新たに高値を付けると、マーケットの参加者は生まれつつある上昇トレンドに乗ろうとし、それが新たなモメンタムを加えるものと考えることができます。
センチメント分析を使用して投資におけるブレイクアウトを見極める
従来、IGCSはトレンド相場を分析する際に逆張りバイアスをもって見る先行指標と考えることができます。これは、個人投資家が一方の側(ショートかロング)に大きくポジションを取るときに、逆方向へのトレードの機会を提示する、という意味です。逆張り論理は、レンジ相場にも適用できます。
一般に、センチメントが一方向に67%以上傾くと市場にかなりの不均衡が生じます。つまり、2人のトレーダーがある方向にポジションを持ち、1人のトレーダーが逆方向にポジションを持つ状態です。




トレンドフォロー戦略にIGCSを適用しセンチメントでトレードする方法を学びましょう
この背景は、逆方向へのモメンタムが積みあがっているときに、強いトレンドの底または天井を掴みたいという本質的な希望のように見えるものから生じています。
ボックス圏が作られると、価格はサポートラインとレジスタンスラインの間で複数回往復する場合があります。マーケットは一つのレンジ内で永遠にトレードされることはないため、価格がこれらの上下の水準を頻繁に試すようになると、ブレイクアウトやブレイクダウンが起こる可能性が高くなります。
そのためトレーダーは、予想されるブレイクアウト/ブレイクダウンと反対方向に見られるクライアントセンチメントの大きい不均衡に注意します。
ブレイクアウトの例:
下のFTSEチャートにIGCSを重ねたものを見てみましょう。価格はサポートラインとレジスタンスラインの間で動いていますが、クライアントのポジションはロングのセンチメントが大きく急上昇していることがわかります。これはブレイクダウン(サポートラインの下方向への突破)の可能性を示唆する最初の手がかりになります。2つめの手がかりは、それまでのトレンドです。マーケットは、スイングハイ(最高値より低い高値のローソク足が、最高値を中心に左右6本できる状態)以来、高値切り下げと安値切り下げをおこなって弱気の地合いを示しており、長期的なトレンドの継続を模索しています。
サポートラインを何度も試しにおこなった後、価格は最終的にサポートラインを突破し、ロングのクライアントセンチメントは全個人投資家のトレードの85%近くという高値を更新しました。

ブレイクアウト戦略のリスク管理
ブレイクアウトがレンジ戦略に潜在的脅威となるように、それまでのレンジ内に戻っていく相場はブレイクアウト戦略に対する脅威となります。そのためこのスタイルの手法ではストップロスの使用が重要となります。
当社がおこなった成功するトレーダーの特長に関する調査によれば、トレーダーは常にプラスのリワードリスクレシオを維持するべきですが、ブレイクアウト戦略は特にこのリスク管理方法に適しています。ブレイクアウトは短期間における大きな値動きの可能性があることから、ブレイクアウトが起きれば大きな値動きで利益を得ることを期待してトレーダーは小さなリスクを取りに行きます。そして、もしブレイクアウトが失敗、または反転した場合は、損失の最小化が優先目標となります。
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