FXの長期取引戦略にはセンチメント分析を利用する
マーケットの状況は、特に基礎となる経済状態の良し悪しという観点から分析した場合、長期間に渡って同じ状況が続くことがあります。そして、経済の拡大や収縮は、将来の金融政策を導いたり情報を与えたりしてくれる場合があるのです。さらに、長期的または経済循環の展開にともなって、FXに影響を与える可能性があります。本稿では長期的な取引戦略におけるIGクライアントセンチメント(IGCS)の使用法に焦点をあてます。
IGクライアントセンチメント(IGCS)でFXのセンチメント分析をおこなう
IGCSは、トレーダーにとって非常に役立つ将来の価格動向の予測を提供することから、先行指標とみなされます。さまざまな時間軸であらゆるマーケット環境に適用できることから、用途の広い指標でもあります。
時間軸 | 相場環境 | 戦略 |
---|---|---|
長期 | トレンド相場 | 順張り |
中期 | レンジ相場 | サポートライン付近で買い、レジスタンスライン付近で売る |
短期 | ブレイクアウト | 短期の大きな値動きを探す |



FXで長期取引をおこなう前に景気循環を知っておく
景気循環にひとつとして同じものはありませんが、典型的な景気循環はサイクル内の各段階において共通の特徴を示します。景気循環は主に4つの段階に分けられます。
1. 拡大: 経済状態の改善 – GDPが上昇し、中央銀行は金利引き上げを始め、失業率は低下します。
2. ピーク: 好景気のピーク – GDPは最高水準に達し、中央銀行は金利引き上げサイクルに入り、労働市場は完全雇用状態に近くなります。
3. 収縮: 経済状態の悪化 - GDPは低下し、中央銀行は緩和方向で金利を引き下げ、失業率は上昇します。
4. 底: 経済不況/景気後退 - GDPは低水準に落ち込み、中央銀行は金利の引き下げと共にその他の経済刺激策を実施します。失業率は大幅に増加します。

FXの長期取引戦略はセンチメント分析で偏りを見つける
長期トレンドの循環的性質を考えると、FXトレーダーはトレンド相場への長期的なアプローチに焦点を当てると良いでしょう。トレンド相場は多くのファンダメンタルズ要因によって左右される場合があり、たとえば経済が高成長高金利の時には、トレンドが長期間保たれる可能性があります。
ここでの課題はタイミングで、トレーダーが「低く買って高く売る」ことを好む場合でも、そのようなアプローチを仕掛ける明らかなタイミングはほとんどありません。このような場合にIGCSが役立ちます。
これを長期的な時間足で調整するため、トレーダーは長期チャート(日足、週足、月足)で、上昇相場における高値切り上げと安値切り上げ、または下落相場における高値切り下げと安値切り下げを見ます。
トレンドが見つかったら、IGCSを使用してトレンドの方向へのエントリーのタイミングを探します。約67%以上の顧客センチメントが、トレンドの反対方向に偏っていることがわかります。なぜなら、顧客センチメントは逆張り指標とみなすことができるからです。



IGCSを使用するFXの長期取引の例:
たとえば、下のIGCS日足チャートは上昇トレンドのマーケットであり、顧客センチメントは70%近くの顧客がショートしているという、大幅にショート寄りの不均衡を示しています。右側の目盛りは32付近の値を指していますが、これはトレーダーの32%がこの市場でロングしていること、つまりトレーダーの68%(100-32)はこの市場でショートしていることを意味します。
マーケットへのエントリーポイントを特定するためにテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を使用できますが、プラスのリワードリスクレシオを達成するようにストップとリミットを使用してください。
