ジャクソンホール会議を経て、S&P500、そして日本株が上昇している。日経平均株価は約1か月ぶりに3万3千円台を回復した。S&P500、日本株の3月以降のパフォーマンスは?また、S&P500、日本株の今後の見通しとは



サマリー
- 日本株と米国株の比較
- 日本株の見通し
- S&P500指数の見通し
日本株 vs 米国株
日経平均株価は、6月にかけて日経平均株価は米国の代表的株価指数であるS&P500を凌ぐ上昇を記録した後、調整局面を迎えていた。
しかしながら、8月24-26日の重要イベント、ジャクソンホール会議以降、日本株は上昇基調に転じ、日経平均株価が約1か月ぶりに3万3千円台を回復した。3月9日からの日経平均株価とS&P500を比べると、日経平均株価はS&P500を上回るパフォーマンスである。S&P500に劣後することが多かった日本株だが、円安進行に加え、日本の賃金上昇機運、企業の資本効率改善への期待などを背景に、米国株に勝るとも劣らない資産になりつつある。
9月は日米欧の中央銀行が金融政策決定会合を開催する。FRB(米連邦準備制度理事会、20日開催)、ECB(欧州中央銀行、14日)は、利上げサイクル終了が視野に入る。日本銀行(22日)は、足元の円安、インフレ高止まりを受け、当面の金融緩和維持を示唆するかどうかに焦点が集まる。特にFRBの利上げ停止の可能性が高まった場合や日銀の金融緩和維持との見方強まった場合、日米株のサポート要因になろう。

資料:BloombergよりDailyFXが作成。3月9日を100として指数化。
日本株(日経平均株価)見通し
日経平均株価(先物)は、右肩下がりの平行トレンドチャネルの上方トレンドラインをブレイクし、上昇トレンドへ転換している。MACDラインは上向き、かつシグナルラインを上回っており、日経平均株価の上昇圧力は衰えていない。テクニカル面で日経平均株価に強気シグナルが点灯している。くわえて、月後半の日米欧金融政策決定会合まで数週間あることから、日本銀行の金融政策見通しが短期的に変わることは見込みづらく、日経平均株価の上昇トレンド継続を見込む。日経平均株価(先物)は、8月1日高値33,470円が視野に入る。
日経平均株価のリスクとして、急速な円安が進行しているドル円の為替介入があげられる。為替介入に対する警戒感などから急速な円高が進行した場合、日経平均株価が下落する可能性がある。
日経平均株価先物日足チャート

資料:Trading View



S&P500指数の見通し
S&P500指数は、7月27日を起点とした右肩下がりのレジスタンスラインを上方ブレイクした。また、MACDラインがシグナルラインを上抜けるS&P500に強気の「ゴールデンクロス」が示現している。テクニカル面で、S&P500指数に強気シグナルが点灯している。
加えて、20日のFOMCまでにFRBの金融政策見通しが大きく変化することは見込みづらく、S&P500の上昇トレンド継続を見込む。S&P500指数は、7月27日高値4,607レベルへの上昇が視野に入る。
一方、強い米国経済指標を受け米国金利が上昇した場合や、中国不動産セクターへの懸念が強まった場合などは、S&P500指数は下落しよう。その場合、現在4,419レベル近辺にあるレジスタンスラインがサポート転換しているかに注目。サポート転換していることが確認された場合、S&P500の地合いが強まっていることを投資家に印象付けよう。
S&P500日足チャート

資料:Trading View



新たなレポートの配信等はtwitterアカウント@DailyFXJapanで確認できます。
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著