※2023年12月25日10時42分更新
金価格(ドル建て)は2023年最後の取引週に向けて上げ幅を拡大している。最終週のボラティリティはそれほど高まらないとみられ、金/ドル(XAU/USD)は2,050ドルを上回る水準を維持しそうだ。
金価格:見通しと分析
- 米コアPCEがドルへの下落圧力を維持し、金価格は上昇
- 今週は米新規失業保険申請件数に注目
- 金価格は2,050ドルを上回る水準を維持できるか?
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金/ドル ファンダメンタルズ分析見通し
金価格は、11月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数が予想を下回ったため、12月中旬以降トライしていた2,050ドルの大台をついに突破した。PCEは米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標。PCE総合価格指数(11月)は前月比では0.1%の低下に転じ、2020年4月以来の水準まで落ち込んだ。フェデラルファンド(FF)金利先物のインプライドレートでは、2024年に160ベーシスポイント近い利下げの実施が織り込まれており、1-3月期(第1四半期)に最初の利下げが実施されるとの見方が強まっている。とはいえ、米耐久財受注とミシガン大学消費者信頼感指数は大幅に改善しており、現在の制限的な金融政策環境においても米国経済の力強さが示されている。今週は、引き続き労働市場の回復ぶりを示している新規失業保険申請件数の発表が注目されている。
FF金利先物のインプライドレート
資料:Refinitiv
2023年最後の取引週はインパクトの強い経済指標の発表がなく、レンジ相場が続く可能性が高い。ただ、ウクライナやパレスチナ自治区ガザで進行中の紛争など、外部のリスクイベントには注視することが重要だ。顕著に紛争が激化すれば、安全な資産の需要が高まり、金相場に資金が流入する可能性がある。
金価格に関係する経済指標カレンダー
テクニカル分析
金価格 日足チャート
資料:TradingView、チャート作成:ウォレン・ベンケタス
上記の金/ドル(XAU/USD)の日足チャートをみると、RSI(相対力指数)で買われ過ぎゾーンを再び試しているようにみえる。上述したように、今後1週間のボラティリティは最小限にとどまることが予想されるため、価格は現在の水準付近で推移する可能性がある。
レジスタンス水準
- 2150.00
- 2081.82
サポート水準
- 2048.79
- 2000.00
金価格のIGクライアントセンチメント:強気
IGクライアントセンチメント(IGCS)指標によると、金を取引するトレーダーの60%が現在、ロングポジションを保有している。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 10% | -8% | 0% |
週次 | -11% | 9% | -2% |
--- DailyFX.com リサーチチーム ウォレン・ベンケタス著
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