※2023年12月5日15時37分更新
米ドル/カナダドルは、米国とカナダの経済指標やカナダ中銀の金融政策決定会合を控える中、様子見ムードが広がっている。カナダ中銀の会合がカナダドルを支える可能性は低く、米ドルが巻き返しを図る可能性がある。
米ドル/カナダドルの分析と注目ポイント
- リスクセンチメントが悪化し、4日のカナダドルは軟調に推移
- カナダ中銀の会合がカナダドルを支える可能性は低い
- 米ドル/カナダドルは1.35で足踏み状態
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カナダドルのファンダメンタルズ要因
カナダ、米国ともに重要な経済指標の発表を控えた週に入り、カナダドルの上昇トレンドは弱まりつつある。イスラエルとハマスの紛争が激化する中、資産の安全な逃避先としての需要が米ドルを押し上げている。先週の石油輸出国機構(OPEC)プラスの決定に対し、市場は否定的な反応を示し、原油価格の下落を招いたため、カナダドルの支えにはならなかった。今週7日にカナダ銀行(BOC、中央銀行)の金融政策決定会合開催を控え、金利市場は約88%の確率で政策金利は据え置かれると織り込んでいる(下表参照)。成長鈍化や小幅に上昇した失業率、製造業購買担当者景気指数(PMI)の低下など、最近のカナダの経済指標の動向を考慮すれば、カナダドルにとって自国でのプラス材料はほとんどない。
カナダ中銀の政策金利予想
資料:Refinitiv
今週はほぼ米国発の要因(下記経済指標カレンダー参照)によって左右されそうで、短期的にはISM(米供給管理協会)が6日発表するサービス業PMIに注目が集まるだろう。米国経済の大部分がサービス業主導であることを考えれば、重要なデータポイントとなる。8日(日本時間22:30)発表の米非農業部門雇用者数(NFP)を前に、米雇用動態調査(JOLTS)も注意深く吟味されるだろう。どちらのデータも改善が見込まれるため、カナダドルに対する支えは限定的となる可能性がある。
米ドル/カナダドルに関する経済指標カレンダー
テクニカル分析
米ドル/カナダドル 日足チャート
チャート作成:ウォレン・ヴェンケタス
上記の日足チャートのプライスアクション(値動き)を見ると、米ドル/カナダドルは200日移動平均線(青)と心理的水準1.3500のサポートレベル付近で、それぞれが足踏み状態となっている。下降ウェッジパターン(黒点線)はブレイクされたものの、強気継続の展開はまだ続く可能性がある。前述のサポートゾーンを下回る終値が確認されれば、この強気展開は無効になりそうだが、RSI(相対力指数)が売られ過ぎの領域に近づいており、米ドルは反発する可能性が高い。
主なレジスタンスレベル
- 50日移動平均線
- 1.3668
- 1.3600
- 1.3575
主なサポートレベル
- 200日移動平均線
- 1.3500
- 1.3373
IGクライアントセンチメント指標:混合
IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、米ドル/カナダドルを取引する個人トレーダーの51%は現在、ネットロング(米ドルを買い持ち)にしている(本レポート執筆時点)。
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テクニカル分析入門
市場センチメント
推薦者: Warren Venketas
--- DailyFX.com リサーチチーム ウォレン・ヴェンケタス著
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