※2023年8月14日13時57分更新
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豪ドルは、先週の安値からなかなか反発できずにいる。米ドルが先週上昇した流れを引き継ぎ、リスク資産とコモディティ市場に影響を及ぼしている。
米国債利回りは先週、短期金利の指標である2年債利回りが4.72%まで上昇し、金曜には4.91%を超えた。米国債利回りの上昇は米ドルを下支えしているようだ。
先週の米10年債利回りは3.96%で取引され、現在は4.20%を上回る動きを見せている。
同時に、オーストラリア国債(ACGB)の利回りも上昇しており、イールドスプレッドはかなり安定している。
豪ドル vs 米2/10年債の利回りスプレッド
資料:TradingView
米ドル高がコモディティ市場を動揺させ、特に最近は貴金属の軟調ぶりが目立つ。豪ドル安のこの側面については週末の記事(英語のみ)でも指摘した。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は明日、8月の金融政策理事会の議事要旨を公表する。17日には豪州の賃金価格指数と雇用統計が発表される。
金融政策理事会の議事要旨は、理事会が開かれる日にすでに声明が発表されているため、サプライズをもたらすことはほとんどない。ただ、議事要旨にはより詳細な内容が記載されており、それが理事会の考え方やニュアンスを知るうえでのヒントになることもある。
先週金曜、フィリップ・ロウRBA総裁はオーストラリア連邦下院議会の経済委員会で講演した。インフレについては、エネルギーと住宅建設費がインフレを低下させる主な原動力である一方、賃料とサービスが引き続き、物価上昇圧力に拍車をかけていると改めて指摘した。
今年4-6月期(第2四半期)の賃金価格指数は、前年同期比3.7%上昇と、安定的に推移すると見られている。この数カ月の間に、いくつかの産業における最低賃金の上昇率が5%から8%に引き上げられたため、この指標は通常よりも注目を集めている。
ブルームバーグのエコノミスト調査では、失業率は3.6%と、50年来の低水準に近づくと予想されている。労働市場のひっ迫は、インフレ抑制の妨げになるとしてRBAがこれまで何度も指摘してきた。
こうした国内要因が豪ドル/米ドルに影響を与えるかもしれないが、米ドルの動きが相場を支配する傾向は続く可能性がある。
資料:DailyFX経済指標カレンダー
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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