※2023年7月31日15時36分更新
豪ドル、中国PMI、ハンセン指数、CSI 300、豪ドル/米ドル、豪中銀 - トーキングポイント
- 中国のPMIが予想を上回ったことで、豪ドルは一時上昇に転じた
- 中国経済が勢いを取り戻せば、豪ドルにも影響を与える
- 明日1日に迫る豪中銀の理事会に関心が移っている。豪ドル/米ドルは回復し続けるか?



31日アジア時間のオーストラリアドル相場は、中国の7月製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を上回ったことを受け、発表直後に上昇したが、その後上値が重くなり、結局始値と同水準まで値を戻した。
7月のPMIは、世界第2位の経済大国である中国が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)後に再び経済を成長軌道に戻すことができるかもしれないという楽観的な見方につながったようだ。
7月の中国製造業PMIは49.3と予想(48.9)を上回った。非製造業PMIは51.5と予想(53.0)を下回り、この結果、PMI総合指数も前月(52.3)を下回る51.1だった。
市場は、経済活動に広範な影響を与える製造業PMIを重視する傾向がある。
中国PMI指数は、中国全土の製造業者3,000社(主に大企業)を対象にした調査に基づいている。PMIは景気の方向性を示す指数で、ディフュージョン・インデックス(DI)と呼ばれている。50を超えると中国の景気見通しが明るいと考えられている。
中国人民銀行(PBOC、中央銀行)は今朝、人民元売買の基準値を、市場予想(7.1532)を下回る7.1305に設定したと発表した。
香港ハンセン指数(HSI)と中国本土株の指標CSI 300指数は、先週からの堅調な流れを引き継ぎ、きょうのPMI発表後に2カ月ぶりの高値を付けた。
PMIの数値はオーストラリアの輸出企業の業績に対する期待を高めたが、今週の豪ドルトレーダーにとっての焦点は、なんといっても1日にオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が決定する金融政策だろう。RBAが金利を引き締めるかどうかは不透明との見方が少なくない。
ブルームバーグのエコノミスト調査では、25ベーシスポイントの利上げが僅かに支持されているが、金利先物市場では、政策金利が引き上がる可能性はごく僅かだと見ている。
豪ドル/米ドルの反応 1分足チャート
資料:TradingView
豪ドル/米ドルのテクニカル分析
豪ドル/米ドルは先週、値を崩したものの、5カ月間続く0.6459-0.6900の取引レンジにとどまっている。
先週28日の反落により、価格は全期間の日足単純移動平均線(SMA)を下回った。これは、弱気の勢いがさらに強まる可能性を示している。
これらのSMAは現在、0.6690-0.6740間に位置しているが、このように狭いエリアにSMAが集中するのは珍しい。価格がこのエリアを突破すれば、強気派はより安心感を得られるだろう。
レジスタンスは、0.6820付近の直近高値となる可能性があり、さらに上昇すれば0.6900-0.6920のゾーン、0.7010-0.7030のエリアが意識される。
下値では、直近の安値0.6622付近がサポートとなりそうで、その下には過去の安値である0.6600、0.6595、0.6574、0.6565が控えている。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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