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株の流動性とは?調べ方や目安、流動性リスクをわかりやすく解説

株の流動性とは?調べ方や目安、流動性リスクをわかりやすく解説

DailyFX, Research
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

※2024年5月24日更新

株の流動性を理解することはトレーダーにとってとても重要です。安定したポートフォリオを構築するためには、流動性が高い銘柄を選ぶ必要があるからです。本記事では、株の流動性とは何か、流動性が高い銘柄の調べ方、流動性リスク、株式の流動性を考慮したトレード戦略について解説します。

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株の流動性とは?

株の流動性とは、市場での取引量を示す指標であり、売買のし易さを判断する材料になります。流動性が高ければ、トレーダーはすぐにポジションを建てやくなります。反対に流動性が低く、出来高が十分ではない銘柄は買い手や売り手が少ないため、簡単に売買できません。

流動性が投資に与える影響

株の流動性と株価は密接な関係があります。流動性が高い株は、多くの投資家から注目を集めるため、株価の動きが活発になる傾向があります。そのため、株価の変動幅が大きい銘柄ほどリスクも大きい可能性があります。一方、流動性が低い株は、参加している投資家が少ないため、売買の影響で株価が大きく変動しやすい特徴があります。

しかし、流動性が高ければ必ずしも利益が出るわけではありません。その銘柄の基本的な業績や市場環境など、他の多くの要素と組み合わせて分析することが重要です。

【関連記事】株を分析するツールの1つにテクニカル指標があります。詳しくは、「株でおすすめのテクニカル指標6選!手法や注意点を解説」をご覧ください。

流動性の高い株式銘柄を取引するメリット

ここでは、流動性の高い株式銘柄を取引するメリットを紹介します。

迅速な取引が可能になる

流動性の高い銘柄は、特に短期トレードへのメリットがあります。取引量が多い銘柄ほど、株価に影響を与えずに迅速に取引することが可能になるからです。つまり、流動性の高い銘柄はデイトレーディングの速いペースに適しています。

また、流動性の高い銘柄であれば取引効率が向上するため、リスク管理戦略の範囲内で余裕を持ってトレードできます。その一方で、流動性の低い銘柄は出来高が少ないため、注文の執行にかなり時間を要する場合があるでしょう。

投資の判断材料が多い

流動性の高い銘柄は、その企業の業績や社会的評価など、投資判断に必要な情報が充実していることが多いです。例えば、大手企業についての情報は新聞やネットニュース、企業のIR情報など、さまざまなメディアで容易に取得できます。これらの情報は、投資家が投資判断を行ううえで重要な資料となります。逆に、流動性が低い銘柄の場合は情報が少なく、またその少ない情報を得るためには時間と手間がかかります。その結果、投資判断を誤るリスクが高まるかもしれません。

株式市場における流動性と銘柄の調べ方

流動性は売買回転率で調べられます。一定期間に取引された株式数の合計を、その期間の平均発行済株式数で割ることで算出します。売買回転率が高ければ、企業の株式は流動的と言えます。

例えば、ナスダック100DAXFTSE100などの主要株価指数に採用されている企業の発行済株式が、年度の初日に1億株、最終日に1億5,000万株であれば、年間の平均発行済株式数は1億2,500万株となります。その年度における出来高が9,000万株の場合は、9,000万/1億2,500万=0.72となり、パーセントで表すと72%の売買回転率となります。

流動性の高い銘柄を見つけるには、ボラティリティの高い銘柄を見つけるのと同様に、株式スクリーニングツール(銘柄検索機能)を使うと良いでしょう。指定した条件(この場合は出来高)に基づいて銘柄を見つけられます。

流動性の高い株式銘柄の特徴と目安

流動性が高い銘柄の例としては、以下が挙げられます。

ITEコマースエネルギー
マイクロソフトグーグルメタアマゾンアリババショッピファイエクソンゼネラル・エレクトリックチェサピーク・エナジー

一般的に流動性があると認識される銘柄の目安は、出来高が20万株以上です。株式の出来高とは、1日の間に取引された株式数のことで、最も出来高が多いケースでは数千万株にも及びます。

流動性のレベルは常に変動しますが、時価総額が大きい銘柄ほど流動性が高くなる傾向があります。セクター別に銘柄の流動性をイメージするために、2024年3月時点で時価総額の高い銘柄を紹介します。

エネルギー金融ヘルスケア資本財・サービステクノロジー通信
エクソンモービルバークシャー・ハサウェイイーライ・リリーウェイスト・マネジメントアップルT-モバイルUS
シェブロンJPモルガンノボノルディスクシュルンベルジェエヌビディアベライゾン
シェルバンク・オブ・アメリカジョンソン・エンド・ジョンソンエンブリッジタイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリングAT&T
トタルエナジーズウェルズ・ファーゴメルク・アンド・カンパニーエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズブロードコムアメリカ・モビル
コノコフィリップスアメリカン・エキスプレスアッヴィリパブリック・サービシズASMLホールディングBCE

出所:TradingView

株式市場とFX市場の流動性の違い

株式市場の流動性と、FX市場の流動性の違いを理解するためには、FXの特徴を押さえることが大切です。

FXのユーロ/ドルやユーロ/円などの主要通貨ペアは、取引高が常に多いために流動性が高くなります。一方で、ドル/ハンガリーフォリントドル/トルコリラなどのエキゾチック通貨は取引高が非常に少ないと言えます。

FX市場は24時間稼動しており、国際決済銀行によると1日の取引高は平均で6.6兆ドルにも及ぶとのことで、株式の出来高の何倍にも相当します。そのため、ポジションの開閉が24時間可能になり、流動性の確保にも役立ちます。

もちろん、株式市場は優良銘柄のように流動性の高い銘柄が数多くあります。しかし出来高の少ない小型株は、流動性が著しく低い場合があります。

株式市場とFX市場は、どちらも出来高や取引量などの要素によって、流動性が異なる点は同じと言えるでしょう。ただし、FX市場のほうが取引高が多いため、ボラティリティが高い点は異なると言えるかもしれません。

【関連記事】ボラティリティを考慮した取引方法について、詳しくは「FXのボラティリティとは?定義とFXでのトレード方法を解説!」をご覧ください。

株式の流動性におけるファンダメンタルズ分析およびテクニカル分析との関係

株式の出来高は、ファンダメンタルズ要因とテクニカル要因に大きく左右されます。以下のチャートで、ファンダメンタルズ要因の例を紹介しましょう。

サブプライムローンを融資する金融機関のプロビデント・ファイナンシャルは、2017年8月に業績予想の下方修正と配当の停止、さらにCEOの退任が報じられたことで積極的な売りが出ました。

Chart to show how liquidity in stocks can influence price movement

テクニカル分析においては、大幅な株価上昇と出来高の顕著な増加が重なると、強気トレンドの継続、もしくは強気への反転を示している可能性があります。同様に、株価下落に出来高の増加が伴う場合においても、強気トレンドの継続、または強気への反転に向けた兆候があります。

また、テクニカル分析を重視するトレーダーにはボリュームインジケーター(出来高指標)が役に立つでしょう。ポジティブ・ボリューム・インデックス(正の出来高指数)とネガティブ・ボリューム・インデックス(負の出来高指数)は、前日の出来高と株価に基づくもので、出来高が株価にどのような影響を与えているかを示しています。

【関連記事】テクニカル指標は他にもさまざま種類が存在します。詳しくは、「テクニカル指標のタイプ別一覧、使いこなすためのヒントもプロが解説」をご覧ください。

株式の流動性リスク

流動性リスクとは、株の売買が極端に少なくなることで取引が成立せず、売りたいときに売れない可能性のことを指します。

例えば、ある企業が不祥事を起こしたために上場廃止となる場合、その企業の株式の出来高が極端に減少し、結果として株の価格が付かず売却できない事態が生じることがあります。

流動性リスクが高い・低い状態に対する影響は、下表の通りです。

流動性リスク影響
高い

・売却希望時に買い手が見つからず売却できない可能性がある

・売買のタイミングを自由にコントロールできない

低い

・売却希望時にすぐに買い手が見つかり現金化しやすい

・売買のタイミングを自由にコントロールできる

流動性リスクが高まると、売り注文が殺到し、株価が付きにくくなる傾向にあります。ただし、上場廃止になったとしても、その企業が倒産しない限り、配当を受け取る権利や株主議決権などは消滅しません。

しかし、上場廃止で市場を通じた株式の売買ができなくなるため、投資家は慌ててその株を売ろうとします。上場廃止が決まった銘柄は各取引所の整理ポストに移されます。整理ポストに移された銘柄は、約1ヶ月後には上場が廃止されます。従って、個人投資家はその1ヶ月の間に取引を終わらせなければ、取引所で売買できなくなります。

株式の流動性を考慮した投資戦略

最後に、株式の流動性を考慮した投資戦略について紹介します。

流動性を考慮したポートフォリオ構築

ポートフォリオの構築にあたり、株の流動性を考慮することは非常に重要です。流動性が高い株と低い株、両方を組み合わせることでリスクを分散し、安定した投資運用を目指せます。

まず、流動性が高い株をポートフォリオの中心に置くことから始めましょう。流動性が高いとその株を容易に現金化できます。売買のタイミングを自分でコントロールしやすく、需要・供給が安定しているため、価格変動も少ない傾向があります。流動性が高い銘柄は、ポートフォリオの基盤として安定性を保つ役割を果たします。

次に、流動性が低い株を一部含めることで、高リターンを狙うことも視野に入れます。流動性が低い銘柄は、取引量が少ないため価格変動が大きく、リスクは高まりますが、それと同時に大きな利益を得られる可能性もあります。

これは、ポートフォリオの割合例です。

銘柄の種類割合
流動性が高い80%
流動性が低い20%

流動性を考慮したポートフォリオ構築は、リスク分散とリターン追求のバランスがある投資戦略を立てるために重要な投資戦略です。

【関連記事】ポートフォリオの構築について、さらに詳しくは「株式ポートフォリオの作り方:リスクをおさえる分散投資について解説」をご覧ください。

流動性にもとづく株式の選び方

株式の流動性が高いと、売買の際のスプレッド(売値と買値の差)が狭くなるため、一定の利益を見込めます。一方で、流動性が低い株式は、売買のタイミングによっては大きな損失を出す可能性もあります。

そのため、自分の投資スタイルやリスク許容度を再確認しましょう。短期的な取引をメインにしたいのであれば、流動性の高い株式を選ぶことが大切です。頻繁に売買するためには、急な市場変動に対応でき、手数料やスプレッドの影響を最小限に抑える必要があるからです。

長期的な視点で投資を考えている場合は、企業の成長性や安定性が欠かせません。その場合、流動性が低くとも、企業の基本的な性質と将来性を重視してください。

まとめ

株の流動性とは、その株式が簡単に売買できるかを示す度合いのことです。流動性の高い株は売買が活発で、市場価格が公正なものである可能性が高いと言えます。つまり、価格が適正に反映されているため、損失を出すリスクが低く、投資家が長期的な投資戦略を立てやすいでしょう。

逆に流動性が低いと、売りたいときに売れず、買いたいときに買えないという「流動性リスク」が高まるうえ、価格もその銘柄の価値が反映されにくくなります。

なお、個別株の取引を望まない場合は、NYダウや、S&P500、FTSE100などの流動性の高い主要株価指数もおすすめです。

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推薦者: DailyFX
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