FXの取引可能な時間帯には、ロンドン、米国、アジアの3つの主要な時間帯があり、この3つを合わせて24時間取引がおこなわれています。地域ごとの中心市場の特徴や傾向はそれぞれ大きく異なります。そのためトレーダーはいつでも有効な戦略を実行することができます。
外国為替市場はすべてのアセットクラスの中で最も流動性の高い市場ですが、ボラティリティが一定の時間帯と、そうでない時間帯があります。これらの取引時間帯ごとの違いを理解することで、FXの戦略における信頼性を高めることができます。
この記事では、それぞれのFX市場の時間帯について、その主な特徴、FX市場のタイムゾーン、取引への影響などをご紹介します。

主要なFXの取引可能時間帯とは
一般的に、FXの市場は次の3つの時間帯に分かれています。
これらの取引時間帯は、主要な銀行や機関投資家、個人投資家が活動しているため、FXは非常に機能的でダイナミックなものとなります。各取引時間帯の具体的な時間を把握することで、FXトレーダーはこれをもとに取引戦略を立てることができます。
時間帯 | 主要市場 | 時間(GMT) |
---|---|---|
米国 | NEW YORK | 13:00~22:00(日本時間の22:00~7:00) |
アジア | 東京 | 00:00~09:00(日本時間の9:00~18:00) |
欧州 | ロンドン | 08:00~17:00(日本時間の17:00~2:00) |

アジアのFXの取引時間帯
東京は1日で最初に開くFXの取引時間帯であり、戦略の策定や今後の市場の動きを測るために、機関投資家の多くがアジア市場の取引の勢いを利用します。世界のFXの約6%がアジアの取引時間帯に成立しています。
欧州のFXの取引時間帯
ロンドンは、世界最大かつ最も重要な取引時間帯であり、1日のFXにおける取引量のおよそ34%の市場シェアを持っています。 その大きな市場シェアのため、世界の大手銀行のほとんどは、取引デスクをロンドンに置いています。ロンドン市場には参加者数が多く、その取引量の多さから、ロンドンの取引時間帯は他の2つの時間帯よりも ボラティリティが高くなっています。
ロンドン市場では高い流動性が発生し、EUR/USDのような主要通貨ペアの「1時間あたりの平均価格変動」が大幅に増加します。 下のグラフは、この統計を時間帯別に表しています。米国東部時間の午前3時(GMTの午前8時、日本時間の午後5時)から始まる欧州の取引時間帯の取引量が増加していることがわかります。

出典:DailyFX 成功するトレーダーの特長リサーチ(2010~2012)



米国のFXの取引時間帯
世界第2位の取引市場であるニューヨーク市場。世界の為替取引量の約16%がこの市場でおこなわれています。ニューヨークでの取引の多くは、米国市場の取引時間と欧州市場の取引時間が重なる時期に発生し、流動性がなくなり、欧州のトレーダーがFXから退出すると、取引は低調になります。
前のグラフで、米国の取引開始時刻であり、欧州市場の取引時間と米国市場の取引時間が重なっている米国東部時間の午前8時(GMTの午後1時、日本時間の午後10時)頃の緑の点に注目してください。平均的な動きは、ロンドン市場が閉まる米国東部時間の午後12時(GMTの午後5時、日本時間の午前2時、赤い点で表示)頃までさらに大きくなります。
FXのトレードに最適な時間帯は?
DailyFXのデータでは、過去10年間で、ヨーロッパの通貨ペアは、GMT 19時~23時(日本時間の4時~8時)の間に取引すると、より大きな成功を収めることができることが分かっています。前述したように、この時間帯は米国の取引時間帯の影響をほとんど受けないため、流動性は比較的低くなっています。流動性が低いため、RSIなどのインジケーターをより活用した狭いボックス圏内での取引戦略が可能になります。
サポートで買い、レジスタンスで売る狭いボックス圏内での取引を好むなら、米国の取引時間帯後半からアジアの取引時間帯(GMT午後7時~午前7時、日本時間の午前4時~午後4時)にかけて、欧州通貨の取引を検討すると良いでしょう。
ブレイクアウトやトレンドを好む場合は、欧州市場が取引開始になる時間から、欧州市場の取引が終了する時間(GMT午前 8時~午後5時、日本時間の午後5時~午前2時)に取引を検討するのが良さそうです。また、アジア通貨の取引時間帯であるため、アジア通貨の取引(AUDやNZD)を取引することで、ブレイクアウトが得られる可能性もあります。
アジアの取引時間帯で欧州通貨のブレイクアウト取引をしようとしても、それらの通貨の「オフアワー」であるため、市場があまり動かない傾向があり、失敗に終わる可能性があります。
FXの取引時間帯に関するより詳しい説明については、「FXに最適な時間帯はいつですか?」をご覧ください。


