FXのロンドン時間は、平均為替取引量*の約35%を占め、他の市場と比較しても最大の取引量です。また、ロンドン時間は、年間を通してニューヨーク時間とオーバーラップしています。
この記事の主なポイント:
- ロンドンの外国為替市場が始まる時間
- ロンドン時間で知っておくべき3つのこと
- ベストな通貨ペア
- ロンドン時間でのブレイクアウト手法



ロンドンの外国為替市場が始まる時間(ロンドン時間)
ロンドンの外国為替市場の営業時間は、米国東部時間の午前3時から午後12時(日本時間の午後5時から午前2時)までです。ロンドン時間では、あらゆる外国為替市場の時間帯の中で最も多くの為替取引がおこなわれます。
米国東部時間
開場 | 午前3時(日本時間午後5時) |
---|---|
閉場 | 午後12時(日本時間午前2時) |
アジア時間とのオーバーラップ | 午前3時~午前4時(日本時間午後5時~午後6時) |
ニューヨーク時間とのオーバーラップ | 午前8時~午後12時(日本時間午後10時~午前2時) |
FXにおけるロンドン時間で知っておくべき3つのこと
1. ロンドン時間の値動きは速くて活発
ゆっくりとした動きの東京時間がロンドン時間につながり、英国に拠点を置くリクイディティプロバイダ-から価格が動き始めると、たいていの場合、ボラティリティの上昇が確認できます。
ロンドンで取引が始まると、多くの主要通貨ペアの「1時間ごとの平均移動量」が増加します。以下は、EUR/USDを時間帯別に分析したものです。これらの動きは、平均してアジア時間が終了した後に大きくなっていることに注目してください(アジア時間は米国東部時間の午前3時(日本時間の午後5時)に終了します(青点))。

サポートラインとレジスタンスラインは、アジア時間(ボラティリティが低い時)よりも断然簡単に破られる可能性があります。
この考えは、ロンドン時間で投機をおこなうトレーダーの中心的なアプローチとなります。トレーダーは、ブレイクアウト手法により、このボラティリティを有利に利用できます。ブレイクアウト手法の場合、トレーダーは長期間継続しそうな不安定な動きを探します。



2. オーバーラップに注意
「オーバーラップ」とは、ロンドン時間とニューヨーク時間が、文字通り重なり合うことです(米国東部時間の午前8時から午後12時(日本時間の午後10時から午前2時)まで)。この2つは世界最大の中心的な市場であり、この4時間のオーバーラップの間に、市場の流動性が非常に高くなるため、大きくかつ速い値動きが見られます。

上の図で確認できるように、ロンドンとニューヨーク時間が重なる、米国東部時間の午前8時から午後12時(日本時間の午後10時から午前2時)にかけて、ボラティリティが最大になります。オーバーラップでの取引には、オーバーラップ時に見られるボラティリティの上昇を利用したブレイクアウト手法を用いることができます。
3. 高い流動性
ロンドン時間は、最も流動性の高い時間帯の一つです。大量の売買がおこなわれるため、主要通貨ペアは極めて低いスプレッドで取引されます。短い動きを狙うデイトレーダーは、トレンドやブレイクアウトを見つけて取引する傾向にありますが、それは、スプレッドによるコストを減らすことができるからです。
ロンドン時間におけるFXのベストな通貨ペア
ロンドン時間の取引において「最適な」通貨ペアというのはありませんが、取引量が多いためにスプレッドが縮小され、トレーダーが狭いスプレッドで取引をすることができる通貨ペアがあります。
例えば、EUR/USD、USD/JPY、GBP/USDやUSD/CHFなどの主要通貨ペアです。ロンドン時間では、主要通貨ペアの取引量が非常に多くなります。
米国と欧州/ロンドンの銀行間活動によりオーバーラップの影響を最も受けやすい通貨ペアには EUR/USD、USD/JPY、GBP/USDがあります。取引手法がボラティリティに適応しているなら、流動性が大きく、オーバーラップ中の平均的な動きが大きくなるため、これらの取引ペアは注目に値します。



ロンドン時間におけるブレイクアウト手法の方法
ロンドン時間におけるブレイクアウト手法を用いた取引は、他の時間帯のブレイクアウト手法とほぼ同じではあるものの、新規注文時には流動性とボラティリティの高まりが期待できます。
トレーダーがブレイクアウト手法をとる際には、取引を計画するために明確なサポートラインもしくはレジスタンスラインを探し出します。
下のチャートは、ライジング・ウェッジ・パターンを示しています。これは、レジスタンスラインを持つトレンドラインが最終的に破られることで、ブレイクアウトとなります。

このセットアップによる大きなメリットは リスク管理ができることです。トレーダーはストップを比較的タイトに保つことができ、ストップロスはトレンドラインの近くを追います。サポート/トレンドラインをブレイクしても損失は限定的で、この戦略がうまくいけばリスク・リターン比率はプラスになる可能性があります。
ロンドン時間では流動性が高まり、ボラティリティも上昇しているため、ブレイクアウトの可能性が非常に高くなっています。
ロンドン時間における取引手法とヒント
ロンドン時間がオープンした時の取引では、ボラティリティと流動性の上昇が見られることを忘れずに、取引の際には 適切なレバレッジをかけるようにしてください。FXの初心者 の方は 初心者のためのFXガイド をダウンロードして基本をしっかりと理解しましょう。
ロンドン時間と同様に ニューヨーク時間と アジア時間についても、知っておくべき特徴があります。
キーポイント:
- ロンドン時間には、流動性とボラティリティが高まる。
- ロンドン時間では、ブレイクアウトが頻繁に発生する可能性がある。
- ロンドンとニューヨーク時間が重なるときには、ボラティリティと流動性が高まるため、注意する。
* 国際決済銀行(BIS)の2016年からの3年ごとの報告書


