陽の包み足（抱き線）は上昇トレンドへの反転？2つの手法も解説

このページの内容

陽の包み足（抱き線）とは？
陽の包み足の見つけ方とそれが意味する内容
陽の包み足と陰の包み足の違い
陽の包み足パターンを使ったトレード手法
ローソク足を使ったトレードに関する情報

※2024年6月20日更新

陽の包み足は、ローソク足チャートを使ったトレンド分析において最もわかりやすいシグナルの1つです。多くのトレーダーがこのローソク足パターンを使用して、相場の反転や継続を見極め、トレード戦略に役立てています。

本記事では以下について説明します。

陽の包み足とは？
FXにおいて陽の包み足を見極め解釈する方法
陽の包み足パターンを使ったトレード手法

陽の包み足（抱き線）とは？

陽の包み足は下降トレンドの底で現れ、買い圧力の急増を示します。陽の包み足は、より多くの買い手が相場にエントリーしさらに価格を押し上げるため、トレンドの反転のきっかけとなることがよくあります。このパターンの特徴は、2本のローソク足のうち2本目のローソク足が前の陰線の実体を完全に「包み込む」ことです。

下図は、下降トレンドの底に陽の包み足が出現したチャートの例です。

下図は、陽の包み足を構成する陰線と陽線を表しています。

陽の包み足の見つけ方とそれが意味する内容

陽の包み足の特徴:

強い陽線が前の陰線の実体(ヒゲは無視)を「包み込む」。
下降トレンドの底に出現する。
陰線が十字線の場合や、後続のローソク足が陽線の高値以上で終了した場合は、より強いシグナルとなる。

このパターンからわかること

上昇トレンドへの反転の可能性（強気の反発）。
節目となる価格であり、売り圧力は勢いを失っている。

陽の包み足を使用して取引する利点:

見つけやすい。
強気の反発を確認した後、魅力的な価格でエントリーすることができる。

陽の包み足と陰の包み足の違い

包み足は強気になる場合と弱気になる場合があります。陰の包み足パターンは、前述の強気パターンの反対となります。下降トレンドで出現するのではなく、上昇トレンドの天井で出現し、ショートでのトレードのシグナルを提示します。陽線が大陰線に包み込まれることが特徴となります。

陰の包み足パターン

以下は陽の包み足と陰の包み足の主な違いを表にしたものです。シグナルを正確に把握するために、以下の点に留意する必要があります。

包み足のパターン	特徴	場所	シグナル
陽の包み足	陽線が前の（小さな）陰線を包む	下降トレンドの底に出現	強気のシグナル（強気の反発）
陰の包み足	陰線が前の（小さな）陽線を包む	上昇トレンドの天井に出現	弱気のシグナル（弱気の反落）

【関連記事】陰の包み足について理解するために、ローソク足チャートの読み方をしっかり習得しましょう。

陽の包み足パターンを使ったトレード手法

陽の包み足とFX

陽の包み足パターンは、下に示すGBP/USDの日足チャートで観察することができます。ここでこのパターンは下降局面で示されています。後続のローソク足が陽線の高値以上で引け、シグナルを確認しています。ストップは、陽の包み足パターンの下値の下に設定することができ、目標は以前価格が跳ね返された節目となる価格に設定することができます。これは直近の高値で、プラスのリスク・リワード比率を提供します。

陽の包み足と株のトレード

陽の包み足はFX戦略において人気があるだけではなく、株のトレードでも適用できます。下記はNY証券取引所に上場されているFedex Corp [FDE]で陽の包み足のトレード戦略が示されています。

陽の包み足のトレードに確信を得る鍵は、ローソク足の形成を裏付けるシグナル/指標で補強することです。

下のチャートでは、包み足の直前にトンボが出現し、下値の堅さを示しています。これはチャートの下側にあるRSIの売られ過ぎのシグナルによる強気の方向性バイアスとも一致します。これらの裏付けとなるシグナルは、株式トレーダーにトレードを実行する前に十分な確信を与えます。

ストップロスは最近のスイングロー、トンボの十字線の安値の下に置くことができます。目標(リミット)は、以前に価格が跳ね返されている節目となる水準に置くことができます。ただしプラスのリスクリワード比率を確保してください。

ローソク足を使ったトレードに関する情報

陽および陰の包み足のトレード方法について詳しくは、包み足に関する記事、陰の包み足についての記事もご参照ください。
陰の包み足のトレードをおこなう時は、より勝率の高いエントリーとするため、指標とサポートラインおよびレジスタンスラインを利用してトレードを裏付けする必要があります。
陰の包み足は、ローソク足パターンの1つに過ぎません。代表的なローソク足パターンとそのトレード方法を確認しましょう。