※2023年10月2日10時56分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
- 金価格は先週、2021年6月以来最大の週間下落率となった
- 現在、個人トレーダーの85%が買い持ちを保持(IGCS調べ)
- 全体として、金/ドルは軟調な地合いとなっている
金先物相場は先週、約4%下落した。週間下落率としては2021年6月以来最大となる。一方、個人トレーダーは金/ドルの買い持ちを増やし続けている。個人トレーダーのポジション状況は通常、逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。全体的に見て、金/ドルは今週も軟調な地合いが続きそうだ。
金価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、金/ドルを取引する個人トレーダーの85%がネットロング(金を買い持ち)にしている。個人トレーダーのポジションは圧倒的に買い持ちが多いため、価格がこの先、下落する可能性を示唆している。先週の木曜から金曜にかけて4.9%、先週金曜時点の1週間前と比較すると34%も買い持ちが増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、金/ドルの逆張り取引バイアスはさらに弱気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -14% | 12% | -2% |
週次 | -8% | 13% | 2% |
金/ドル (XAU/USD) 日足チャート
日足チャートを見ると、金先物相場は2月を始点とする上昇トレンドラインの下方ブレイクが確立した後、さらに下降を続けている。弱気のチャートパターンである50日移動平均線が200日移動平均線を下回るデッドクロスが最近形成され、テクニカル分析見通しはさら弱気に傾いている。
現在、価格はフィボナッチ・リトレースメントの中間点1,848.37に直面している。下方にブレイクアウトすると、2月の安値1,804.78が意識され、その下には78.6%の水準1,714.83が控えている。一方、上昇に転じた場合、焦点は変曲点1,884.89となる。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
新たなレポートの配信等はtwitterアカウント @DailyFXJapan で確認できます。