※2023年9月6日17時51分更新
原油、WTI、天然ガス - 見通し



原油価格: 厳しいレジスタンスを突破
原油先物相場は、2022年末から何度か試していた水平トレンドラインというレジスタンス(83.50付近)をついに上回り、数カ月に及んだ横ばい圏から脱出するきっかけとなった。この上方ブレイクにより、昨年10月の高値93.00へ向けて上昇する可能性が開かれた。
この強気ブレイクは、7月に日足チャートで一目均衡表の雲と89日移動平均線を上回ったことに続くもので、前回の記事(8月29日付英語記事、5月4日付英語記事参照)で指摘したように、上昇モメンタムが再び強まっていることを示唆している。ここ数カ月は200週移動平均線が強いサポートとなっている。
原油価格 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
とはいえ、83.50の上方ブレイクに伴う上昇の勢いは、価格の上昇に比べると弱い。ブレイクアウトが本物であれば、原油価格は上昇を維持する必要がある。直近の上昇を維持できなければ、偽の高値ブレイクである可能性が高まる。当面のサポートはレジスタンスからサポートに転じた水準83.50であり、より強いサポートとして8月の安値77.50が控えている。
原油価格 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
天然ガス価格:さらなる下落のリスク
天然ガス先物相場は今週、安値圏で天井が付いた可能性が生じたことで、過去2つの記事(8月29日付英語記事、8月11日付英語記事参照)で指摘したように、5カ月続いた反発局面が終わる可能性が高まっている。
天然ガス価格 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
何故なら、天然ガス相場は3.00-3.05(3月の高値と30週移動平均線を含む)という重要なレジスタンスを超えることができなかったからだ。200日移動平均線にはまだ遠いのと、年初からなかなか反発できない状況は、強気相場再来の機はまだ熟していないことを示している。実際、天然ガス相場は持続可能な上昇トレンドに入る前に、底固めの長い期間を経る必要があるかもしれない。
天然ガス価格 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
筆者は年初に初めて、天然ガス相場が底を打つ可能性について指摘した。 2月21日付記事「天然ガス価格見通し:下落は行き過ぎ?」、5月22日付英語記事、5月18日付英語記事をご参照ください。
天然ガス相場は、2.45-2.50辺りの重要な水平トレンドラインを試している。このサポートを割り込むと、上昇の勢いは衰え、5月の安値2.00付近に向かって下降する可能性が浮上する。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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