FXで取引チェックリストを使うべき理由
取引チェックリストを導入することは、トレーダーが規律を守り、トレードプランを実行し、自信を築くために不可欠な要素です。取引チェックリストとは、取引を実行する前にトレーダーが点検する必要のある質問のリストのことです。
重要なことは、トレードプランと取引チェックリストを混同しないことです。トレードプランは、売買する市場や使用する分析手法などの全体像をあつかうものです。取引チェックリストは、取引や取引をおこなう前に満たすべき条件に焦点を当てています。



FXで失敗しないための取引チェックリスト
取引を開始する前に、次のように自分自身に質問をしてみてください。
- チャートはトレンド相場か、レンジ相場か?
- 近くに重要なサポートラインやレジスタンスラインがあるか?
- チャートをインジケーターで分析したか?
- リスク・リターンの比率はどれくらいか?
- どのくらいの資金がリスクにさらされているか?
- 取引に影響を与えるような重要な経済指標の発表はあるか?
- トレードプランを守っているか?
1)チャートはトレンド相場か、レンジ相場か?
トレンド相場
経験豊富なトレーダーは、強いトレンドを見つけ、そのトレンドの方向に向かって取引をすることが、より勝率の高い取引につながることを知っています。
トレンド相場はトレーダーを悪いエントリーから救い出す力があるという、よく知られた言葉があります。下の図でわかるように、トレンドが十分に形成された後にトレーダーがショートをしたとしても、トレンドは上昇よりも下降の方により多くの利益をもたらし続けるでしょう。
トレーダーは市場が強いトレンドの兆候を示しているかどうか、そして「トレンドフォロー」を守っているかどうかを自問する必要があります。




レンジ相場
レンジ相場は、サポートラインとレジスタンスラインの間で価格が跳ね返って、レンジ内で取引される傾向があります。アジア時間のような特定の市場の時間帯は、レンジ内で売買される傾向があります。オシレーター系インジケーター(RSI, CCI, ストキャスティクス)は、レンジ相場での取引を重視するトレーダーにとって非常に有効なテクニカル指標です。

2)近くに重要なサポートラインやレジスタンスラインがあるか?
値動きは、様々な理由からある特定の価格帯を意識する傾向があり、その価格帯を見極めることが重要です。トレーダーは、価格が重要な価格帯である サポートラインまで下落し、結果的に反発するだけになるまでショートポジションを持つことは避けたいと考えています。

同様に、価格が重要なレジスタンスラインに近づくと、その直後に下落に向かうのが典型的なパターンです。トレンドフォローのトレーダーは通常、これらの価格帯をブレイクした後には、ブレイク前の価格に戻らないことを期待します。トレンドが開始される可能性を示しているからです。一方、レンジトレーダーは、価格がサポートラインとレジスタンスラインの間で長期間にわたって跳ね返り続けることを期待します。
3)チャートをインジケーターで分析したか?
インジケーターは、勝率の高い取引であるかどうかを確認するのに役立ちます。トレードプランや戦略に応じて、トレーダーは1つまたは2つのインジケーターで取引戦略を作成しています。1つのチャートに多数のインジケーターを追加して、分析を複雑にしすぎないようにしましょう。分析はすっきりとシンプルにまとめ、一目でわかるようするのがおすすめです。
4)リスク・リターン比率はどれくらいか?
リスク・リターン比率は、トレーダーが目標に到達することを期待してリスクを負うピップスの比率です。3,000万回以上の本番口座でのトレードを分析した成功するトレーダーの特長の調査によると、リスク・リターン比率が高めのトレーダーは、そうでないトレーダーに比べて、利益をあげる可能性が約3倍高いことがわかりました。たとえばリスク・リターン比率が1:2の場合、取引がうまくいったときに得られる利益の半分のリスクを負うことを意味します。下の図は、この原則をさらに詳しく説明したものです。




5)どのくらいの資金がリスクにさらされているか?
最も重要なことは、トレーダーがこうした質問を自分に問いかけることです。トレーダーはよく、「確実にうまくいくと思えるもの」を追いかけるときに、口座の上限までレバレッジを効かせて、自らの口座の資金を吹き飛ばしてしまいます。これを避ける一つの手段としては、すべての取引で使用するレバレッジを10倍以下にすることです。もうひとつは、すべての取引にストップを設定し、リスクの合計額が口座残高の5%未満になるようにすることです。
取引をおこなう前に「どの程度の資金をリスクにさらすべきか」と、自分自身に問いかけてみてください。
6)取引に影響を与えるような重要な経済指標の発表はあるか?
不意に発生した市場関連のニュースによって、「完璧」な取引が無効になる可能性があります。テロ行為や自然災害、金融市場におけるシステム障害などを予想することはほぼ不可能ですが、米国雇用統計, CPI(消費者物価指数)、PMI(購買担当者景気指数)、GDPのような経済指標の発表について計画を立てることはできます。
取引対象の主要国が発表する主な経済指標をまとめた経済指標カレンダーを見て、前もって計画を立てましょう。
7)トレードプランを守っているか?
上記のすべてはトレードプランに結びつかなければ、ほとんど意味がありません。トレードプランから外れてしまうと、ちぐはぐな結果となり、取引の過程でいらだちをつのらせるだけです。トレードプランを守り、そのプランが取引チェックリストの項目を満たし取引を実行できることが確認されない限り、取引をおこなわないことです。
FXで失敗しないための取引チェックリスト:まとめ
- 取引チェックリストを作成したからといって、すべての取引で自動的に勝てるわけではありません。ただし、トレーダーがトレードプランを守り、より一貫性のある取引をおこなえば、衝動的で無謀な取引を避けることができます。
- トレード日記に自分の取引を記録し、自らの取引に責任を持ちましょう。


