
陰のはらみ線を使ったFXのトレード: 主なポイント
陰のはらみ線は2本のローソク足で構成され、相場の弱気への反転を示唆します。陰のはらみ線は単独でトレードすべきではなく、陰のはらみ線を確認する他の要素と組み合わせて検討する必要があります。
本稿では以下の点について説明します。
- 陰のはらみ線パターンとは?
- 陰のはらみ線をチャート上で見つける方法:FXと株の違い
- 陰のはらみ線のFXでのトレード方法
陰のはらみ線パターンとは?
陰のはらみ線は上昇トレンドの天井で出現する反転パターンです。これは、実体の大きな大陽線と、その後に続く、前のローソクの実体に包み込まれる小陰線によって構成されます。モメンタムの変化のサインとして、小陰線は前のローソクの中間地点近くまでギャップダウンして寄り付きます。

陰のはらみ線の反対が陽のはらみ線ですが、これは下降トレンドの底に現れます。
陰のはらみ線をチャート上で見つける方法:FXと株の違い
陰のはらみ線チェックリスト:
- 現在が上昇トレンドであることを確認する。
- 勢いの衰退/反転のシグナルを探します。(ストキャスティクス、移動平均線のデッドクロス、またはその後の陰線の形成など)
- 小陰線の実体は、前の陽線の25%未満の長さであることを確認します。株式マーケットではギャップダウンがあるため、陰線は前のローソクの中間地点より下で寄り付きます。ギャップはFXのローソク足ではほとんど見られません。FXではローソクは前のローソクの終値と同じか非常に近い値で寄り付きます。
- 陰線全体が前の陽線の実体に包み込まれることが観察できます。
- 裏付けとなる指標、節目となるレジスタンスライン、またはトレードを裏付けるその他の証拠との重なりを探します。
陰のはらみ線のパターンは、株式マーケットでは24時間トレード可能なFXとは異なる形になります。ここではその両方のパターンの形成を見ていきます。



FXにおける陰のはらみ線の形成
FXは平日24時間トレード可能であるため、1つのローソクが引けると、実質的に前のローソクの終値と同じ価格で次のローソクが寄付きます。これは通常のマーケット状況では頻繁にみられますが、非常にボラティリティの高い期間においては動くこともあります。FXにおける陰のはらみ線は通常は下のような形になります。

小陰線は、前の大陽線の終値と同じか近い値で始まります。これはFXにおいて典型的な形です。
株式マーケットにおける陰のはらみ線の形成
一方株式マーケットでは、指定された取引時間が日中にあり、多くの理由から窓をあけてギャップダウンして寄り付くことが知られています。それには以下のような理由があります。
- 取引終了後にネガティブな企業ニュースが発表された。
- 経済指標カレンダーで見られる国/業界データが予想より悪かった。
- 将来の収益にマイナスの影響を与える規制上の変更があった。
- 全体的な(マイナスの)市場センチメント。
そのため、次のFTSE 100のLloyds Banking Group PLCに見られるような、より伝統的なはらみ線パターンが出現します。

チャート上でマーケットに多くのギャップが現れており、ローソク足とローソク足の間に窓が開いている場所が数多く見られます。これは株式市場では頻繁に見られる現象です。



陰のはらみ線のFXでのトレード方法
本稿で述べた陰のはらみ線の5ステップのチェックリストを活用できます。先ほどのUSD/SGDチャートの例では、これらのことが観察できます。
- 明らかな上昇トレンドがあります。
- RSIがマーケットは買われ過ぎの状態にあることを示唆しています。これは上昇する勢いが弱まっていることを意味しますが、常にRSIが70のラインを超えた後に戻ってきたことを確認するまで待つ必要があります。
- 陰線は前のローソクの25%未満の長さとなっています。
- 陰線は前のローソクの長さの範囲内で始まり、引けています。
- この陰のはらみ線のパターンは新高値で出現していますが、トレーダーは、相場は以前に現在より低い高値から下落したことに注意する必要があります。その後のプライスアクションもまた陰のはらみ線が示唆する、新しい下降トレンドの勢いを裏付けています。
ストップは新高値の上に置き、トレーダーは、陰のはらみ線パターンの完成後の次のローソク足の始値からエントリーすることができます。陰のはらみ線は潜在的な下降トレンドの起点に出現することから、トレーダーは新しい長期の下降トレンドに乗るための複数の目標価格を設定することができます。

FXでの陰のはらみ線の信頼性は?
陰のはらみ線の有効性は、他のローソク足パターンと同様、前後のプライスアクション、指標、トレンド内のどこに出現したか、そして節目となるレジスタンスラインに左右されます。以下の表はこのパターンの利点と欠点です。
利点 | 欠点 |
---|---|
潜在的な下降トレンドの起点に現れるため、魅力的な価格でエントリー可能。 | このパターンのみでトレードすべきではない。 |
陰の包み線パターンと比べてより魅力的なリスク・リワード比率を提供する。 | トレンド内で発生することが不可欠。上昇トレンドの天井に出現しなくてはならない。 |
初心者のトレーダーにも見つけやすい。 | 裏付けとなるテクニカル分析または指標の理解が必要となる。 一般的にはストキャスティクスとRSIを使用する。 |
ローソク足を使ったトレードに関する情報
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