切り込み線(ピアスライン、切り返し線)パターンは2本のローソク足で構成され、FXにおける強気への反転の可能性を示唆します。切り込み線は単独で使用すべきではなく、切り込み線の裏付けとなるテクニカルツールと組み合わせる必要があります。
本稿では以下の点について説明します。
- 切り込み線とは?
- FXのチャート上で切り込み線を見つける方法とは
- 切り込み線を使ってトレードをするためのヒントと戦略とは
- 切り込み線の信頼性とは



切り込み線とは?
切り込み線パターンは、下降トレンドの底に現れる強気への反転のローソク足パターンです。強気派がマーケットにエントリーし、価格を押し上げるため往々にしてトレンドの転換がうながされます。
切り込み線は、2つのローソク足で構成され、2本目の陽線は前の陰線の終値より低く寄り付く必要があります。その後買い手が価格を押し上げ、陰線の実体の50%より上で引けます。
下の図は、切り込み線を構成する2本のローソクの詳細を示しています。
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FXのチャート上で切り込み線を見つける方法とは
切り込み線の特徴:
- 下降トレンドの底に出現する。
- 陰線と陽線で構成される。
- 陽線は陰線の終値より低く寄り付く。
- 陽線は陰線の実体の50%より上で引ける。
切り込み線が示唆する内容
- 上昇トレンドへの反転の可能性(強気反発)。
- 弱気派(売り手)はこの節目となる価格水準で勢いを失っている。
切り込み線を使用して取引する利点:
- 初心者のトレーダーでも経験のあるトレーダーでも見つけやすい。
- 有利なリスクリワード比率の可能性。
- 切り込み線パターンの確認後、有利な価格でエントリーすることができる。



切り込み線を使ってFXでトレードをするためのヒントと戦略とは

上のEUR/USDの週足チャートには、青で囲んだ切り込み線パターンが出現しています。このパターンの前には、安値切り下げと高値切り下げが示す強い下降トレンドがあります。この例では下降トレンドの確認にプライスアクションを使用していますが、移動平均線などのテクニカル指標を好むトレーダーも多く存在します(価格は長期の移動平均線より上にある必要があります)。
前述したように、切り込み線は、ロングでのトレードをエントリーする前に追加の確認を必要とします。この例では、追加の反転の確認にRSIを使用しています。チャートではRSIは売られ過ぎのシグナルを出しており、切り込み線パターンの有効性を補強しています。
ストップレベルは直近の安値(切り込み線パターンの陽線の安値)に置き、テイクプロフィット(リミット)はフィボナッチ比率のエクステンションまたはプライスアクションを使用して決めることができます。
FXでの切り込み線の信頼性とは
切り込み線は強気への反転のシグナルですが、このパターンのみに頼ることはおすすめしません。切り込み線と同時に発生する、反転の裏付けとなるシグナルを使用する必要があります。優勢なトレンドに反してトレードをすることにはリスクがあり、パターンを検証するため複数の確認用のシグナルを見つけることをおすすめします。
利点 | 欠点 |
---|---|
金融マーケットで頻繁に発生する。 | 強気への反転パターンのみを示す。 |
有利なリスクリワード比率の機会がある。 | 切り込み線でトレードをするには、他のテクニカル指標とオシレーターの利用が必要となる。 |
切り込み線は初心者のトレーダーにも見つけやすい。 | ローソク足パターンだけ切り離すのではなく、マーケット全体のトレンドを見る必要がある。 |
