※2023年7月10日11時01分更新
天然ガス、レンジ相場、弱気のデッドクロス - テクニカル分析アップデート
- 今年の天然ガス価格はこれまでのところ、安定的に推移している
- 昨年8月から続くトレンドラインの上方ブレイクは、注目すべき重要な節目
- 進展が乏しい局面なため、注目は目先の値動き
日足チャート – ボックス圏相場
天然ガス価格は2月以降、一貫してボックス圏相場が続いている。6月には、昨年8月から続く長期下降トレンドラインを上方ブレイクした。これにより、上向きのテクニカルバイアスが強まった。ただ、それ以来、強気の動きはやや鈍っている。主要なレジスタンスは3月の高値3.027である。
このレジスタンスを上抜けると、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準3.297、その後は38.2%のポイント4.12に向かって上昇する可能性が開かれる。一方、ここから下降に転じる場合は、今のところ2023年の最安値となっている1.97近辺が焦点となる。重要なサポートとなるこの水準が維持されれば、再びもみ合いの展開となる可能性がある。
4時間足チャートに注目し、今後1週間の天然ガス価格の動きを見てみよう。
資料：TradingView
4時間足チャート - 弱気のデッドクロス？
4時間足チャートは、いくつかの重要なテクニカル動向を示している。1つ目は、直近で価格は短期的に下降に転じ、RSI（相対力指数）で弱気のダイバージェンスが発生したこと。これは、上昇の勢いが弱まっていることを示す典型的なシグナルである。現在、50期間単純移動平均線（SMA）が100期間SMAを下抜けしそうに見受けられ、これが実現すると弱気のチャートパターンでありデッドクロスが形成される。
デッドクロスが示現すれば、今後1週間は弱気のテクニカルバイアスが強まるだろう。当面のサポートは、フィボナッチ・リトレースメント水準の中間点2.507である（下図参照）。さらに下落すると、61.8%のポイント2.419が意識される。その下には、4月中旬を始点とする短期上昇トレンドラインが控えており、短期的なテクニカルバイアスはやや上向きを維持している。
上昇に転じた場合は、6月の高値2.878を突破することで、日足チャート分析で言及した3月の高値3.027を再び試す展開となる可能性が開かれる。
資料：TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
