※2023年10月11日11時30分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCS指標によるアップデート
- 金相場は7月中旬以来最大の週間上昇率になる見通し
- しかし、個人トレーダーのポジション状況に基づく見通しは依然として弱気
- テクニカル面で今後、注目すべき水準とは?
今週の金先物相場はこれまでのところ1.5%上昇しており、このままいけば7月中旬以来最大の週間上昇率となる。このような状況下、個人トレーダーは想定通り、売り持ちを増やしていない。トレーダーのポジション状況は、IGクライアントセンチメント(IGCS)を見れば一目瞭然だ。IGCS指標は通常、逆張り指標として機能する点を考慮すると、見通しは明るいとは言えない。
金価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCS指標によると、個人トレーダーの約86%が金をネットロング(買い持ち)にしている。大半のトレーダーが買い持ちであるため、価格はこの先、下落する可能性がある。最近の価格上昇を受け、トレーダーは買い持ちを1週間前に比べて8%近く増やした。一方、売り持ちは前週比で5.45%増加した。現在のセンチメント(ポジション状況)に加え、最近の変動(日次、週次でのポジション変化)では買い持ちの増加ペースが売り持ちより早い点を考慮すると、金/ドルの逆張り取引バイアスは引き続き、弱気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 7% | -2% | 2% |
週次 | -6% | 8% | 1% |
金/ドル (XAU/USD) 日足チャート
資料:TradingView
日足チャートを見ると、金相場はフィボナッチ・リトレースメントの中間点である1,848.37を上抜けたが、ブレイクアウトの確立にはまだ至っていない。さらに言えば、2月からの重要な上昇サポートラインを割り込んでおり、その後間もなく200日移動平均線が50日移動平均線を上回る弱気なチャートパターンであるデッドクロスが示現した。
そのため、大局的に見るとテクニカル面では引き続き、弱気に傾いている。この見通しを覆すには、さらなる上値追いが必要だ。当面のレジスタンスは1,884.89の変曲点、次いで50日移動平均線だろう。下降に転じた場合は、2月の安値1,804.78を維持できるかに注目したい。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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