※2023年9月1日10時40分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
- 金価格は8月中旬の水準を上回る高値圏で推移
- 個人トレーダーは引き続き、売り持ちを拡大している
- 金/ドルは重要なテクニカルポイントをクリアできるか?



金先物相場は8月中旬から3%超上昇した水準にとどまっている。8月中旬以降、個人トレーダーは売り持ちを拡大し続けている。この点を考慮すると、金相場は直近の上昇基調を維持し、さらに上げ幅を拡大するのだろうか? 個人トレーダーのポジション状況は、しばしば逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。
金相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約65%がネットロング(金を買い持ち)にしている。半数以上のトレーダーが買い持ちであるため、価格はこの先、下落する可能性がある。しかし、ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、それぞれ4.61%、42.15%も増加している。この点を考慮すると、全体的なポジション状況はともかく、最近の変動(日次、週次でのポジション変化)は、価格がさらに上昇する可能性を示唆している。
テクニカル分析入門
市場センチメント
推薦者: Daniel Dubrovsky
金/ドル 日足チャート
日足チャートでは、金価格はテクニカル上、重要な局面に差し掛かっている。5月を始点とする下降トレンドラインと昨年末からのかつてのサポート(上昇トレンドライン)が交差する地点に直面しているためだ(日足チャートのピンク色の丸部分)。レジスタンスが維持されれば、今年初めに始まった下落トレンドが続く可能性がある。
その場合、目先のサポートはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1,903.46となる。その先には、8月のスイングロー1,884.89が控えている。このスイングローを割り込むと、5月以来となる大幅下落となる可能性が出てくる。一方、レジスタンスを上回れば、テクニカル分析の観点からは強気な見通しが強まり、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1,971.63を上回れるかどうかが焦点となる。
資料:Trading View



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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