※2023年11月8日11時19分更新
本レポートでは、今後数日間の金、銀相場の見通しについて言及する。これら主要な貴金属の値動きに影響を与える可能性のあるファンダメンタルズ要因とテクニカル要因を分析していく。
金、銀相場の見通し
- 金と銀の価格はここ数週間で下落したが、見通しは引き続き明るい
- 米国債利回りの低下が続けば、貴金属は2024年に向けて上昇する可能性がある
- このレポートでは、金/ドルと銀/ドルの今週注目すべき主要な水準を探る
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推薦者: ディエゴ・コルマン
先月初旬のハマスによるイスラエル攻撃以降、高まっていた地政学的懸念が後退し始めたため、金と銀の先物相場はここ数週間下落している。中東情勢は依然として悲惨な状況ではあるが、イランやレバノンなど他国を巻き込むような大きな紛争には発展していないため、地政学的懸念が和らいでいる。
金/ドルと銀/ドルが軟調に推移しているもう一つの要因は、安全資産として金と銀を買う需要の減少である。米国株はこのところ、強気の展開が続いており、ナスダック100指数は8営業日続伸し、10月の高値を上回る勢いだ。そのため、トレーダーはこの株高の波に乗り遅れることを恐れ、利子のつかない資産よりも株式市場に目を向けている。
このような最近の市場の動きにもかかわらず、貴金属を楽観視する理由はある。とはいえ、貴金属価格を押し上げる可能性のある要因の一つは、金利の低下である。先月、米10年債利回りは5.0%を超えたが、その後急低下し、きょうは4.6%を割り込んだ。この調整が短期的に加速すれば、金と銀の相場見通しはより楽観的になるだろう。
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金価格 テクニカル分析
先月終盤に2,010―2,015ドルのレジスタンスを突破できなかった金先物相場は、ここ数日小幅安となっている。今後数日でさらに下落すると、1,960ドル、さらには200日単純移動平均線近辺の1,945ドルがサポートとなろう。この付近で安定した値動きを見せてから反発に転じる可能性もあるが、下方ブレイクすれば、1,920ドルを目指す動きとなる可能性が出てくる。
一方、強気派が復活し、相場が上昇に転じた場合は、レジスタンスは前述の通り2,010―2,015ドルに控えている。このテクニカルバリアを上抜ければ、強気心理に再び火が付き、2,060ドルに向けて上昇する足場が固まるだろう。この勢いが続けば、買い手は現在の今年の最高値である2,085ドルに挑戦する自信を得るかもしれない。
金価格チャート(期近物)
資料:TradingView
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 2% | -1% | 1% |
週次 | -1% | 8% | 0% |
銀価格 テクニカル分析
銀先物相場は7日に下落し、複数の最近のスイングローと中期上昇トレンドラインが重なる22.55ドル付近の収束サポートに向かって沈んだ。現在の売り圧力を打ち消すためには、買い手はこのエリアをしっかりと守らなければならない。このサポートを維持できなければ、22.20ドルまで下降する可能性がある。弱含みが続いた場合、焦点は21.00ドル付近の10月の安値に移る。
逆に、買い手が戻り、反発する場合は、23.40ドルに位置するトレンドラインに向けて値を上げる可能性がある。200日単純移動平均線と重なるこの重要な水準は、上昇の動きに対して強固な障壁となりそうだが、ブレイクアウトした場合、銀/ドルは24.00ドルの閾値を目指す可能性が出てくる。
銀価格チャート(期近物)
資料:TradingView
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