※2024年1月17日11時08分更新
金融市場は、今年の米国の積極的な利下げを引き続き織り込んでいるが、現在のところ、この利下げ観測は金価格にはまだ十分に反映されていない。
金価格:分析とチャート
- CMEによる市場金利予想は来年7回の利下げを見込んでいる
- 金価格は今のところ、レジスタンス下で足踏み状態
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必読:1月14日付レポート「金価格の週間見通し:さらなる高み目指す、米金利低下と中東情勢悪化懸念で」
CMEグループによる最新のフェドウォッチによると、今年は3月20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合から7回、0.25%の利下げが実施されると市場は予想している。ただ12月の利下げ確率は半々のように見受けられる。様々な米連邦準備制度理事会(FRB)メンバーがこうした市場の見方を退けているにもかかわらず、市場が米国の積極的な金融緩和を織り込み続けているのは、FRBは出遅れていると感じていることを示唆している。
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紅海とその周辺で続く地政学的緊張とウクライナ紛争が、引き続きリスク心理の重しとなっている。テクノロジー大手7銘柄で構成される「マグニフィセント・セブン」に支えられ米国株式市場が数年ぶりの高値を試す展開が続く一方、欧州では英FT100種平均株価指数(FTSE100)とドイツ株価指数(DAX40)に短期的な下落圧力がかかっている。米国の決算シーズンが到来し、例えばマイクロソフト、アップル、エヌビディアのような企業の決算が予想を下回った場合、現在活況を呈している米国株価指数が弱含みとなる可能性がある。
16日の金先物相場は下落したが、金価格のテクニカル分析見通しは強気を維持する。2,020ドルに位置する50日単純移動平均線と、2,009ドルに位置する過去のスイングハイがサポートとなり、少なくとも短期的にはこれ以上の売りを抑えるだろう。上昇する場合、2,043ドルがレジスタンスとなり、その先には2,070ドルが控えている。
金価格 日足チャート
資料:TradingView
個人トレーダーのデータ(IGクライアントセンチメント)によると、金を取引するトレーダーの56.23%がネットロング(買い持ち)にしており、トレーダーのロングとショートの比率は1.28対1となっている。ネットロングのトレーダー数は昨日より1.26%、先週より0.89%増加し、ネットショートのトレーダー数は昨日より6.14%、先週より11.66%増加している。
我々は通常、群集心理に対して逆張り的な見方をするが、トレーダーがネットロングであるということは、金価格が引き続き下落する可能性を示唆している。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 8% | -4% | 2% |
週次 | 2% | 1% | 2% |
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