※2023年8月4日14時29分更新
金、金/ドル、ドル、ドル指数、米国債利回り、ボラティリティ、フィボナッチ - トーキングポイント
- 金相場はこの1週間、方向感のない展開
- リスク回避の流れが続く中、ドルと米国債利回りは堅調に推移
- ボラティリティは一段と上昇している。これは金/ドルの目先の動きを暗示している?



米国債利回りが上昇し、ドルが底堅く推移する中、金先物相場は週末に向けて岐路に立たされているように見える。
今夜(日本時間21時半)、米非農業部門雇用者数が発表されるため、市場にとってはまだまだ波乱含みの週となりそうだ。
フィッチ・レーティングスが米国債の信用格付けをトリプルAからダブルAプラスに引き下げたことで、2日は多くの市場でリスクオフの動きが広がった。
イエレン財務長官がフィッチの判断を「不可解」で「古いデータに基づくもの」と非難したが、リスクオフムードが消え去ることはなかった。
米国債への懸念はさらに高まり、米財務省は3日、来週の入札で1,030億米ドル相当の中長期債の発行を目指すと発表した。発行規模は前回(計960億ドル)から拡大している。
米国債の借り入れコストの上昇は長期債のイールドカーブで最も顕著である。投資家は、長期的に悪化する米国政府のバランスシートに対するリスクに対し、より多くのリワードを求めている。
長期金利の指標である10年債利回りは、2週間前に4.73%まで下落した後、昨年11月以来となる4.20%に向かって上昇している。
これとは対照的に、短期債の利回りは、米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締めサイクルが終わりに近づいていると市場が見ているため、大きな上昇なく安定している。この2週間、2年債は4.85-4.95%のレンジで取引されている。
ドルはこのリスク回避の流れの中で恩恵を受け、ドル指数は7月半ばに付けた安値水準から上昇し続けている。
GVZ指数は金先物相場のボラティリティを予測する指標で、S&P 500種株価指数のボラティリティを測定するVIX指数と同様の方法で算出される。
金のインプライド・ボラティリティ(将来の予測変動率)はこのところ低迷していたが、ここ数日でやや上昇している。これは市場の不確実性と、価格が大きく動く可能性を示唆している。
これらのことを念頭に置くと、金相場は今のところ、それなりによく持ち堪えてはいるが、こうした逆風が続けば、いずれ軟化する可能性は否定できない。
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金スポットと米10年債利回り、米ドル指数、GVZ指数の比較
資料:TradingView
金相場のテクニカル分析
金相場は現在、サポートであるトレンドラインを試している。下方にブレイクした場合、サポートは1,885-1,895エリアとなるかもしれない。
このゾーンには、いくつかの過去の安値、ブレイクポイント、200日単純移動平均線(SMA)、1,614から2,062までの動きのフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準が含まれる。
そのさらに下に位置するフィボナッチ・リトレースメント50%の水準1,838はサポートとして機能する可能性がある。
一方、上値では、直近の高値1,897か2,000近辺のブレイクポイントがレジスタンスとなるだろう。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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