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英ポンド見通し:対ドルで重要なサポートに直面、ユーロポンド、ポンド円の方向性とは?

英ポンド見通し:対ドルで重要なサポートに直面、ユーロポンド、ポンド円の方向性とは?

居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

※2023年9月13日17時43分更新

英ポンド見通し - 対ドル/ユーロ/円

  • 英国の賃金上昇率は依然として高水準だが、英ポンド/ドルには反映されていない
  • ユーロ/英ポンドは、重要なサポートを上回る水準を維持しており、弱気派を苛立たせている
  • 英ポンド/円は、上昇チャネルにうまく導かれている
  • 英ポンドペア通貨の見通しと注目すべき水準とは?
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英ポンドは、きょう午後に英国の国内総生産(GDP)の発表を控える中、ドルに対して重要なサポートを試している。

英ポンドはここ数週間、複数の主要通貨に対して下落しているが、今のところ反転の兆しはない。このアンダーパフォームについては、8月23日付記事「英ポンド見通し:上昇一服の兆し? 対ドル・ユーロ・円での値動き」をご参照ください。12日発表の英雇用統計はまちまちな結果となり、弱気なバイアスを転換するには至らなかった。賃金が急上昇したことにより、9月22日にイングランド銀行(BOE)が開く金融政策委員会(MPC)で25ベーシスポイントの利上げが実施されることが確実視されている。

BOEのアンドリュー・ベイリー総裁は先週、物価上昇圧力は根強く、金利はまだ上昇する可能性があるが、BOEは引き締めサイクルの終了に「かなり近づいている」と述べた。現在、市場の焦点は7月の英GDPに移っている。市場予想は前年同月比0.4%増で、6月(0.9%増)から減少すると見られている。ただし、3カ月平均予想は前回の0.2%増から0.3%増に上昇している。

英ポンド/ドル 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

英ポンド/ドル:重要なサポートを試している

テクニカルチャート上では、今月は直近のレジスタンスだった8月初旬の高値1.2820を超えることができず、英ポンド/ドルは下降バイアスを維持している。これについては過去の記事でも指摘している。さらに、英ポンド/ドルは、89日移動平均線、日足チャート上の一目均衡表の雲下端、そして6月末の安値1.2600が収束した重要なサポートを維持できず、脆弱さが表れている。2022年末から過去2回、価格は同様のサポートから反発している(日足チャート参照)。

英ポンド/ドル 4時間足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

英ポンド/ドルは現在、200日移動平均線という重要なサポートを試している。この移動線を決定的に下回ったのは2022年である。従って、より広範な上向きバイアスを継続するには、同線を上回る水準を維持することが鍵となる。中期的な観点からは、7月に数カ月ぶりの高値を付けたことで、2022年後半から続く高値圏での高値・下値の切り上げパターンの継続が確認され、中期的に上昇する可能性が残されている(5月8日付記事「英中銀の金利発表控え、英ポンド堅調:英ポンド/ドルの上昇余地とは?」参照)。

英ポンド/ドル 月足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

重要なのは、昨年後半に指摘したように、2022年の高値を上回る高値を今年付けた場合、単なる自律反発以上のものに展開する可能性がある、つまり、英ポンド/ドルの中期的な下落トレンドが反転する可能性が開かれるということだ(筆者はこれについて昨年10月に初めて指摘した。10月3日付英語記事参照)。

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中期的な反発が長期的な上昇トレンドの始まりなのだろうか? 公正を期すために言うと、そのような証拠は不足している。英ポンド/ドルは、月足チャート上の89カ月移動平均線と一目均衡表の雲、2014年からの下降トレンドラインが重なる主要なレジスタンスを下回る水準にとどまっており、長期下降トレンドはまだ反転していないことを示している。

ユーロ/英ポンド 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

ユーロ/英ポンド:2023年第2四半期からのサポートライン上方を維持

ユーロ/英ポンドは、6月からの水平トレンドラインと2022年後半を始点とするもう1つの水平トレンドラインが収束したサポートエリア(0.8550-0.8600付近)を上回る水準を引き続き維持している。それでも、7月中旬の高値0.8700というレジスタンスを突破しない限り、価格は横ばいから下向きの値動きとなる公算が大きい。

英ポンド/円 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

英ポンド/円:上昇トレンド局面でのもみ合い

英ポンド/円は引き続き、2023年初頭を始点とする上昇ピッチフォークチャネルにうまく導かれている。しかし、直近ではレジスタンスからサポートに転換した7月の高値184.00を上回る水準を維持するのに苦戦している。これを決定的に下回れば、当面の上昇の勢いが弱まったことが示されそうだが、必ずしも広範な上昇トレンドの反転を意味するものではない。広範な上昇トレンドに終止符が打たれるのは、7月の安値176.25を下回った時である。

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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著

ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。

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