ADX:平均方向性指数
トレーダーはトレンドを発見するのに苦労することが多いだろう。トレンドを判断する方法は数多くあり、見極めるためには非常に主観的な課題がともなう。エントリーできるトレンドと判断しても実際には異なる可能性があり、たとえ同じマーケットであっても、選択する戦略によって大きな影響を与える可能性がある。
移動平均線やプライスアクションは、マーケットがトレンドを形成しているかどうかを判断するために役立つ。そして、さらに正確に判断するために設計された指標が、ADX(平均方向性指数)である。
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![トレンドトレーディングの基礎](https://a.c-dn.net/b/3WA04W/500x707Advanced-TrendTrading.png)
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ADXは、RSI、ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)、パラボリックSARを開発した、J・ウェルズ・ワイルダー氏によって考案された。ADXは、トレンドの強さを示すために設計されており、トレーダーはトレンド継続の可能性を判断できる。
ADXは独自のパネルに表示され、以下のチャートでは価格の下に表示されている。トレンドが指標の値を上昇させており、一方で、レンジや平均回帰が指標の値を下降させていることに注目してほしい。
以下のユーロ/米ドルの週足チャートでは、ADXが適用されている。それぞれのトレンドに対して指標の値が上昇していることが確認できる。
ユーロ/米ドルの週足チャート(2014年〜2022年 ジェームズ・スタンリー 作成
FXにおけるADXの使い方
多くの指標はアーミーナイフのように、一度に多様な情報を得ようとするが、ADXはトレンドの強さに注目するために設計されている。トレンドが強ければ強いほどADXの値は上昇するため、適切な方法で利用すればトレーダーにとって有利になるはずだ。
ただし、ADXはエントリーするタイミングを判断したり、買われすぎ・売られすぎの状態を見極めたりするには不向きと言える。しかし、ADXはその時点でのトレンドの強さを明確にし、トレンドが継続するかどうかを判断するためには有用である。
ADXを利用するためには、トレンドを示す目安となる値を設定することが一般的だ。この値を超えるとトレンドの発生を示し、値が高いほど、より強いトレンドが発生していることがわかる。トレーダーはこの指標を参考にすることで、戦略を計画できるはずだ。以下のチャートでは、ユーロ/米ドルの週足チャートに30の値でラインを追加している。
ADXが30より上に位置している場合、トレーダーはトレンドフォロー戦略を検討することが可能になり、30より下に位置している場合は、レンジ戦略やブレイクアウト戦略を検討できるだろう。
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ADXを適用したユーロ/米ドルの週足チャート
ユーロ/米ドルの週足チャート(2014年〜2022年)ジェームズ・スタンリー作成
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ジェームズ・スタンリー著
スタンリー氏に連絡するには、Twitterで@JStanleyFXまでお願いいたします。