
FXで私が得た教訓
- FXは一瞬にして富を築くための近道ではない
- レバレッジを過度に高くすると、成功の戦略が負けの戦略に変わってしまうことがある
- 個人投資家のセンチメントは、強力なフィルターとして機能する
FXの参加者は、単なる娯楽としてたしなむ人からプロのトレーダーを目指す人まで、その参加理由はさまざまです。私は当初、フルタイムの経済的に自立できるFXトレーダーを目指していました。私は「完璧な」戦略を教え込まれていました。何か月もかけてテストした結果、バックテストでは1万ドルの口座で年間2万5千ドル~3万5千ドルを稼ぐことができました。私は生活費を稼ぐためにFXをおこない、口座を複利運用して、一生働かなくてもいいくらいの収入を得ることを計画していました。そして私は熱心に、自分の計画に100%コミットしました。
詳細は省きますが、私の計画はあえなく失敗しました。10,000ドルの口座で30万ロットの取引をすることは、許容できませんでした。私は3週間で口座の20%を失い、何が起こったのかわからず混乱していました。何かがおかしい。幸いなことに、その時点でトレードをやめ、幸運にもFXブローカーに就職できました。それからの数年間は、世界中のトレーダーと仕事をしながら、FXについての知識を深めることができました。こうした経験は、私のトレーダーとしての成長の大きな糧となったのです。3年間の収益性の高い取引を経て、DailyFXのチームに参加し、人々が成功する、あるいはより成功したトレーダーになるための手助けができることを嬉しく思います。
私がこの話をしたのは、多くのトレーダーが、この市場に参入しても期待した結果が得られず、その理由を理解できずにいると考えているからです。ここで紹介する3つのことは、どれも私がFXを始めたときに知っておきたかったことです。
1)FXは手っ取り早く稼げるものではない
ネット上の多くのサイトでうたわれているのとは対照的に、FXは1万ドルの口座を100万ドルにすることはできません。稼げる額は、戦略の良し悪しよりも、リスクをとる資金の金額によって決まります。「お金を稼ぐためにはお金が必要」という古いことわざは、FXを含めて的を射ています。
ただ、その努力に価値がないわけではありません。世の中には生計を立てるためにトレードをおこなって、成功しているFXトレーダーは沢山いるのです。その違いは、時間をかけてゆっくりと成長し、持続的な収入を生み出すことのできるレベルまで口座額を増やしていることです。
年間、あるいは月間で、50%、60%、100%の利益を目標にしているトレーダーの話をよく耳にしますが、とるリスクは目標としている利益とほぼ同じになるでしょう。つまり、年間60%の利益を出そうとすると、1年間で口座の60%程度の損失が出ることも十分起こりうるのです。
「でもロブさん、私はエッジがある状態でトレードをしているから、潜在的に稼げるほどのリスクはとってないよ」と言われるかもしれません。トレーディングエッジを活用した戦略があるならば、その言葉は真実になります。あなたの期待リターンはプラスになるはずですが、レバレッジをかけなければ、それは比較的小額にとどまります。そして運が悪い時には、さらに連敗することもあります。なぜトレーダーはこうした混乱した状態でレバレッジをかけ、過剰な利益を狙おうとするのでしょうか。多大な損失を出す可能性があるにもかかわらずです。レバレッジは、ある程度までは有効ですが、勝ち目のある戦略が失敗してしまった場合にはそうはならないのです。



2)FXはレバレッジをかけると、勝ち目のある戦略で損をすることもある
これは、もっと早く学んでおきたかった教訓です。過剰にレバレッジをかけると、せっかくの収益性の高い戦略が台無しになることがあります。
例えば1枚のコインがあり、コインの表が出れば2ドルを手に入れ、裏が出ると1ドル失うとします。あなたはそのコインを投げますか?察するに、あなたは当然そのコインを投げるでしょう。何度もコインを投げたくなるでしょう。2ドルを手に入れるか1ドルを失うかの確率が50/50であれば、それは間違いなく許容できる機会なのですから。
さて、私が同じコインを持っているとしましょう。今度は、表が出れば純資産が3倍になりますが、裏が出れば、所有財産をすべて失うことになります。あなたはそのコインを投げますか?コイントスが一度でもうまくいかなければ、人生を台無しにしてしまうため、当然あなたはそんなことはしないでしょう。この例では、前述の例とまったく同じ割合で勝ち目がありますが、正気の人はこのコインを投げたりしないと思います。
2つ目の例は、多くのFXトレーダーが自分の取引口座をどのように見ているかを物語っています。1つ2つの取引に「全額投入」すれば、結果的に口座全体を失ってしまうのです。コイントスの例のようにトレードにエッジ(優位性)があったとしても、1回か2回の不運なトレードで完全に利益が消滅してしまいます。このように、レバレッジによって、勝てる戦略で損をしてしまうことがあるのです。
では、これを解決するにはどうすればいいかというと、まずは10倍の実効レバレッジを超えないようにすることです。
3)FXはセンチメントを参考にすることで、自分に有利な状況を作ることができる
私が得た3つ目の教訓は、私の記事を読んでくださっている方はご存じかもしれませんが、IGクライアントセンチメント(IGCS)を活用することです。私はこのテーマについて多くの記事を執筆してきました。IGCSは私がこれまで使用してきた中で最高のツールであり、今でも私が使用しているほぼすべての取引戦略の一部となっています。
IGCSは無料のツールで、主要通貨ペアごとに、ロングしているトレーダー数とショートしているトレーダー数を表示します。つまり、他の人とは逆の取引をしたい状況では、逆張り投資の指数として使われます。これをトレードの方向性を決めるフィルターとして使用することで、私のトレードキャリアは完全に変わりました。



自分の失敗から得た教訓
FXを始める前の若い頃の自分に3つのことを伝えられるとしたら、以上のことを伝えるでしょう。結局のところ、FXを始めたばかりの初心者にできることは、時間をかけて基礎から学んでいくことです。例えば、ガイドを読んだり、最新ニュースをチェックしたり、ソーシャルメディアでマーケットアナリストをフォローしたりして、学びます。
FX取引に関するFAQ
FXでどのくらい稼げますか?
レバレッジを活用することで、FXトレーダーは、1回の取引で取引開始時に使用した証拠金の何倍ものリターンを得られます。しかし、レバレッジは両刃の剣であり、大きな利益は大きな損失を意味します。したがって、過剰なレバレッジを戦略として利用すると、長期的には口座資金の消滅につながります。これは、わずか1回でも市場が不利な動きを見せたら、市場は大きく動き、巨大な損失を引き起こすことがあるからです。
あなたが投資に対して期待するリターンは、非常に重要な要素です。トレーダーが自分の口座に過度の期待を寄せると、過度なレバレッジに頼ることになり、それが時間の経過とともに口座額の損失を招く原因となります。FXを他の市場と同じように捉え、レバレッジをかけず保守的な金額で投資すれば、標準的なリターンを期待できるでしょう。
FXは24時間市場であるため、自分の都合に合わせて取引ができる利便性から、デイトレーダー、スイングトレーダー、パートタイムトレーダーなどに人気があります。いずれの場合でも、レバレッジをもし使うなら、低く設定することです。
FXを始める際に得た教訓を4つまであげるとしたら、それは何ですか?
レバレッジについては上記で触れました。数百万回にも及ぶ本物の資金を使ったトレードを調査して、その結果をまとめたのが、成功するトレーダーの特長ガイドです。このガイドでは、リスクとリターンの比率やその重要性について触れています。ヒトがヒトである以上、トレードに伴う心理的な要素や、正しいと分かっていても誤った選択をしてしまうことがあることについても触れています。時に最大の障害は頭の中にあるのです。
FX初心者に役立つガイドはありますか?
FXの初心者のための包括的なガイドを作成しています。このガイドには、トレーダーがFXを好む理由、売買の判断方法、クォートの読み方、pipの価値、ロットサイズなどのトピックが盛り込まれています。私の経験から言うと、FXではどの市場で取引するかを判断する方法を学ぶことが重要です。
また、トレードガイドの「初心者」タブ内にある自信を持って取引できるようになるためにもおすすめです。