多くの人はブローカーが提供するレバレッジの大きさにFXの魅力を感じています。レバレッジがあるため、トレーダーは金融市場で必要なコスト以上のリスク資産を得ることができます。どんなレベルのトレーダーでも、FXのレバレッジとは何かをしっかりと理解し、責任を持って使用する方法を知っておくことが大切です。この記事では株のレバレッジとの違いや、リスク管理の重要性など、FXのレバレッジについて詳しく解説します。

FXのレバレッジとは?
FXにおけるレバレッジとは、トレーダーが初期投資額(保証金)以上の市場のリスク資産を得ることができる有用な金融ツールです。例えば、10対1のレバレッジの場合、トレーダーは1万ドル相当の通貨でポジションを持つのに必要な金額は1,000ドルだけということになります。ただ、レバレッジをかけることで損益が拡大することも理解しておかなければなりません。市場が不利な状況になると、レバレッジを使用しているトレーダーは、保証金よりも多くの資金を失う可能性があります。
10対1のレバレッジとは、 想定元本または取引サイズに対して、取引に必要証拠金の10倍のリスク資産を得ることができることを意味します。これは、家を買うときに10%の頭金を払うのと同じような感覚で、全額の10%の資金で家に住むことができるようになります。
レバレッジは通常、このように比率で表されます。
レバレッジ | レバレッジ(数字) |
---|---|
10対1 | 10:1 |
30対1 | 30:1 |
50対1 | 50:1 |
トレーダーは、通常、ブローカーを通じてFXのレバレッジを利用しています。レバレッジは、その地域に定められた規制基準によって異なります。
FXのレバレッジと株式のレバレッジの違い
FXのレバレッジは、株取引のレバレッジとは異なります。その違いは、主要FXペアは流動性が高く、一般的には最もよく取引される株式よりもボラティリティが低いことからくるものです。結果として、1日5.1兆ドルのFX市場ではリスクヘッジやトレードの出入りが、より管理しやすくなっています。



FXのレバレッジの計算方法
レバレッジを計算するには、以下の数字が必要です。
- 取引の想定元本(取引サイズ)
- 証拠金の割合
取引に必要な最低エクイティを計算できるよう、多くのブローカーはトレーダーに証拠金の割合を提供しています。証拠金と保証金は同じ意味で使われます。証拠金の割合がわかったら、これに取引サイズを掛け、取引に必要な自己資金を算出します。
エクイティ= 証拠金の割合 × 取引サイズ
レバレッジは、取引サイズを必要なエクイティで割るだけで求められます。
Leverage = 取引サイズ ÷ エクイティ
FXのレバレッジの計算例
上記の計算式を用いたレバレッジの計算方法の典型的な例を紹介します。
- 取引サイズ:10,000単位の通貨(取引サイズが10,000ドルに相当するUSD/JPYの小契約)
- 証拠金の割合:10%
エクイティ= 証拠金の割合 × 取引サイズ
0.1 x $10 000
=$1 000
レバレッジ = 取引サイズ ÷ エクイティ
$10 000 / $1 000
=10倍または 10:1
この例では、取引を開始する際にFXのレバレッジがどのように使用されるかという基本的なことを示しています。この際、トレーダーは取引の開始に必要な最低金額をただ計算し口座に入金することは避けるべきです。ポジションが逆方向に動き、口座のエクイティがブローカーの定める許容レベルを下回る場合に発生する追加保証金のことを念頭に置く必要があります。
レバレッジをかけたFXは、大きな損失を生む可能性があります。ここで、過剰なレバレッジが取引口座に与える影響を計算し、その結果を集計してみました。



FXのレバレッジリスクの管理方法
レバレッジは両刃の剣とも言われ、FXトレーダーにとってプラスにもマイナスにも働きます。ですから、適切な実効レバレッジを決定し、健全なリスク管理を組み入れることが大切です。
優秀なトレーダーは、FXでダウンサイドリスクを抑えるために逆指値注文を活用しています。DailyFXでは、1回の取引で口座資金の1%以下、いかなる時点でもすべてのオープン取引で口座資金の5%以下のリスクを取ることを推奨しています。
さらに、成功しているトレーダーは、時間がたつにつれてより高い確率で取引をおこなうために、ポジティブなリスク・リターン比率を利用しています。
レバレッジによる失敗を避けることは非常に重要です。トレーダーが直面する可能性のある様々な問題を回避する方法については、当社のトレードレッスンガイドをご覧ください。
レバレッジ取引のヒント
- FX初心者の方は、FX初心者ガイドで基本的な知識を身につけましょう。
- レバレッジをかけて取引する際には、逆指値注文を活用することを強くお勧めします。逆指値注文でマイナス幅を制限することにより、市場が極めて不安定なときに悪いスリッページが発生するリスクをなくすことができます。
- レバレッジは最小限に抑えましょう。DailyFXでは、レバレッジ10%以下を推奨しています。
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