WTI原油価格は、OPECプラス会合が近付く中、17日に4%を超えて上昇した。しかしながら、原油価格は4週連続で下落し、9月のピークから19%近く下落している。11月26日に開催されるOPECプラスが原油の変動要因になることが見込まれる。OPECプラス会合を控えた原油価格の見通しとは
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サマリー
- 原油価格の動向、OPECプラスに警戒
- 原油の個人トレーダーセンチメント
- 原油価格の今後の見通し
原油価格の動向、OPECプラスに警戒
11月26日のOPECプラス会合が近付く中、WTI原油価格は17日に4%を超えて上昇した。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで構成する「OPECプラス」が追加減産を検討していると報じられたことを受けて、原油価格が上昇した。
しかしながら、原油価格は4週連続で下落しており、9月につけたピークから19%近く下落している。11月に入ってからも、主要な商品の中で、天然ガスに次いで下落している。
資料:Trading EconomicsよりDaily FXが作成。
中東情勢の緊迫化に伴い原油生産に影響が出るとの懸念が和らいでいること、世界的な景気減速懸念、原油在庫が積み上がっていることなどが背景にある。
しかしながら、OPECプラス会合を控える中、原油価格の個人トレーダーポジションに注目すべき動きが。詳しく見てみたい。
原油の個人トレーダーセンチメント
IG顧客センチメント(IGCS)によると、原油を取引する個人トレーダーの約86%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。ほとんどの持ち高は原油に強気のネットロング(原油を買い持ち)に傾いているため、IGCSは逆張り指標として機能することを勘案すると、原油価格は下落する可能性がある。
しかしながら、昨日、先週と比べて原油に強気のネットロングのトレーダーの割合が減少している。このことを考えると、個人トレーダーのセンチメントは原油価格の上昇を示唆している。
IGCS:原油
資料:IG顧客センチメント
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原油価格見通し
WTI原油価格(1バレル)は、10月23日高値を起点とした右肩下がりのレジスタンスが機能しており、上値が重くなっている。しかしながら、RSIやMACDで、原油価格の勢いが衰えつつあることを示す「強気の乖離(ダイバージェンス)」が示現している。
テクニカル面では下落トレンドが継続しているものの、下落の勢いが衰えつつあることに加え、強気の個人トレーダーセンチメント、そしてOPECプラス会合にて原油の更なる減産措置が取られる可能性もあり、原油価格は上下双方に動く展開を想定したい。
原油価格が上昇した局面では、右肩下がりのレジスタンスラインへの上昇を見込む。上方ブレイクに成功した場合、原油価格の下落トレンドが終了した可能性が高まる。
一方、原油価格が下落した局面では、6月28日から9月28日にかけての原油価格の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント78.6%水準73.06ドルへの下落を見込む。下方ブレイクした場合、心理的節目である70ドルへの下落が視野に入る。
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著