金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
- 現在のところ、金価格の2週間の下落率は5.3%で、7月上旬以来の大きさ
- 個人トレーダーは買い持ちを増やし続けている
- これにより、弱気の逆張りバイアスが引き続き支持されている
金先物相場は過去2週間で約5.3%下落している。このまま今週を終えれば、金/ドルにとって7月初旬以来最大の下落率となる。これを受け、個人トレーダーは金の買い持ちポジションを積み上げ続けている。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSはしばしば逆張り指標として機能することを念頭に置くと、金相場は下げ続けるのだろうか?
金価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、個人トレーダーの約75%が金をネットロング(買い持ち)にしている。大半のトレーダーが買い持ちであることは、価格がこの先、下落する可能性を示唆している。ネットロングのポジションを昨日と先週で比べると、0.6%、2.25%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、金/ドルの逆張り取引バイアスはさらに弱気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 14% | -6% | 3% |
週次 | -14% | 11% | -4% |
金/ドル (XAU/USD) 日足チャート
日足チャートを見ると、金相場はフィボナッチ・リトレースメントの中間点1,848.37の下方ブレイクが確立している。これは、2月からの短期上昇サポートラインを割り込み、弱気なチャートパターンである50日移動平均線が200日移動平均線を下回るデッドクロスが示現した後に続く値動きである。現在、当面のサポートは2月の安値1,804.78と思われる。
この安値を割り込むと、フィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準1,714.83が意識され、昨年末に確立されたサポートゾーン1,614―1,628に向かって下降する可能性が高い。一方、価格が上昇に転じた場合は、1,848に焦点が戻り、その後は1,884の変曲点がレジスタンスとして意識されよう。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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