※2023年10月3日14時37分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
原油先物相場は過去2日間で3.4%超下落した。2日間の下落率としては6月上旬以来最大となった。これを受け、個人トレーダーは買い持ちのポジションを増やし始めている。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSはしばしば逆張り指標として機能することを念頭に置くと、原油相場にさらに下げを拡大するのだろうか。
原油価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、原油をネットロング(買い持ち)にしている個人トレーダーは約45%となっている。半数以下は依然として売り持ちであるため、相場はこの先、上昇する可能性を示唆している。とはいえ、ネットロングのポジションを昨日と先週で比較すると、8.8%、11.11%それぞれ増加している。最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、原油相場は下落する可能性がある。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 0% | 3% | 0% |
週次 | -2% | 8% | 0% |
下図の日足チャートを見ると、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は昨年11月の高値を事実上、下回ったことが分かる。また、RSI(相対力指数)ではダイバージェンスがマイナス圏に転じ、上昇の勢いが弱まっていることが示された。その後、相場は下げ幅を拡大し、直近では20日移動平均線を割り込んだ。
原油相場はまた、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準88.75の下方ブレイクを試している。このブレイクアウトが確立すれば、テクニカル分析見通しはますます下向きになるだろう。そうなれば、50日移動平均線と8月の変曲点84.84を上回れるかが焦点となる。これらはサポートとして維持される可能性がある。
原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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