※2023年9月8日10時35分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
- 原油価格は2週連続の上昇が視野に
- 個人トレーダーは引き続き弱気
- しかし、テクニカル面では反転の兆し



米原油先物指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は、今のところ2週連続の上昇となりそうである。6月以降の堅調な上昇を受け、個人トレーダーは原油に対する弱気な姿勢を強めている。この状況は、IGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標としてよく使われることを考えると、原油価格はさらに上昇するのだろうか?
原油価格のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、原油を取引する個人トレーダーの約39%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。半数以上のトレーダーが売り持ちであることから、価格はこの先も上昇し続ける可能性がある。また、ネットショート(売り持ち)のポジションを昨日と先週で比較すると、6.3%、32.95%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、原油相場の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
テクニカル分析入門
市場センチメント
推薦者: Daniel Dubrovsky
下図の日足チャートを見ると、原油価格がますます天井に近づいていることを示す、いくつかの早期シグナルが確認できる。まず、ここ2日間で陰のはらみ線(はらみ足)のローソク足パターンが示現している。現時点では下値確認が不十分だが、陰のはらみ線が通常示唆する軌道をたどって下値を拡大すれば、反転の可能性は高まる。
一方、RSI(相対力指数)では弱気のダイバージェンスが発生していることから、上昇の勢いが弱まっていることが示唆されている。弱気のダイバージェンスは時に、価格が下降に転じるシグナルになる。当面のサポートは8月の変曲点84.845だ。これを下方ブレイクすると、50日移動平均線が意識されよう。一方、目先のレジスタンスはフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準88.75である。



原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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