※2023年10月5日11時07分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCS指標によるコモディティ市場アップデート
今週の原油先物相場はこれまでのところ、7%近く下落している。このまま下落を維持すれば、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の週間下落率は3月中旬以来最大となりそうだ。個人トレーダーは現在、買い持ちを増やしている。この状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。
原油価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCSの指標によると、原油を取引する個人トレーダーの約57%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。半数以上のトレーダーがネットロングであることから、価格はこの先も下落し続ける可能性がある。さらに、ネットロングのポジションを昨日と先週で比較すると、33.08%増、67.76%増とそれぞれ大きく増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、原油相場の逆張り取引バイアスはさらに弱気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 0% | 3% | 0% |
週次 | -2% | 8% | 0% |
下図の日足チャートを見ると、WTI原油先物は20日移動平均線の下方ブレイクが確立しており、直近では50日移動平均線を下回って引けた。50日移動平均線のブレイクアウトはまだ確認できていない。とはいえ、直近の下落は、RSI(相対力指数)で上昇の勢いが弱まっていることを示す弱気のダイバージェンス形成後に続く値動きで、この先も軟調な展開となる可能性がある。
直近の下落により、当面のサポートとしてフィボナッチ・エクステンション23.6%の水準81.88が意識されている。価格がさらに下げを広げると、8月の安値77.63を維持できるかが焦点となる。一方、上昇に転じた場合は、8月の高値からの変曲点84.84が焦点となろう。
原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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