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S&P 500、ナスダックの見通し:ついに上昇トレンドに亀裂?

S&P 500、ナスダックの見通し:ついに上昇トレンドに亀裂?

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このページの内容

※2023年8月3日17時15分更新

S&P 500、ナスダック100の見通し

  • ナスダック100指数は、極端に楽観的な見通しが支持される中、チャート上は失速の兆し
  • S&P 500指数は4月以来のサポート割れ
  • S&P 500種指数とナスダック100指数の見通しと注目すべき水準とは?
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日足チャートでナスダック100指数は、7月下旬以降、上昇した日数よりも下落日数の方が相対的に多くなっている。一方、S&P 500種指数は4月以来、初めてサポートを割り込んだ。こうした値動きは、米国株価指数の上昇がついに一息つくことを示唆している。

フィッチ・レーティングスによる米国債の信用格付け引き下げと、米民間雇用者数の好調な伸びを受けた長期金利の上昇が、リスク選好ムードを後退させるきっかけとなったようだ。しかし、最近の記事(英語)でも指摘したように、米株価指数は少なくとも、ある程度の調整が必要な状況になりつつあるように見える。

米国企業の四半期決算はこれまでのところ好調で、米国経済も底堅く推移しているにもかかわらず、米国株価指数はこのところ苦戦している。極端な楽観論、買われ過ぎの状態、過密なポジション状況、そして第3四半期の季節性の悪さが、上昇トレンドに徐々に影を落としているようだ。とはいえ、必ずしもこれが広範な上昇トレンドの反転を意味するとは言い切れず、上昇が続く可能性は十分残されている。しかし、リスクリワードの観点から、上昇トレンドが継続する可能性は低くなっているように見える。

ナスダック100 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

フラクタル次元で測定された市場の見方に対する多様性は低いように見受けられる。これについては7月9日付記事(英語)で取り上げた。フラクタル次元は多様性の分布を測定する。市場によって異なるが、通常1.25-1.30の下限圏に達すると、多様性が極端に低くなる。言い換えれば、市場参加者が同じ方向を予測していることを意味し、少なくともこれまでの動きの一服や反転の確率が高まる。ナスダック100指数では、65日フラクタルの次元が基準値の1.25を下回り、赤信号が点滅している。

ナスダック100 240分足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

ナスダック100:小幅下落のリスク

テクニカルチャートでは、ナスダック100指数は、当面のサポート15,285-15,385を試す中、上昇の勢いを失っているように見える。また、先日の記事(英語)で指摘したように、月足チャートを見ると、昨年10月以降に50%も上昇した勢いに比べると、最近の動きは弱々しい。月足チャートの貧弱さは、日足と週足のチャートで見える上昇モメンタムの強さに隠れ、目立たなくなっているのかもしれない。

ナスダック100 月足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

もっとも、広範な上昇トレンドはまだ反転しておらず、もう少し値動きを見極める必要がある。より長期の時間枠チャートで勢いが増す展開にならない場合、昨年からの上昇は自律反発(2022年に始まった広範な調整の一環)にすぎず、長期的な強気相場の再開ではないことを示すだろう。15,285-15,385のエリアを割り込むと、14,500の下値を目指す展開となる可能性が浮上する。

S&P 500 240分足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

S&P 500:小型サポートを割り込む

S&P 500種指数は7月下旬の安値4,550という小型のサポートを割り込んだことで、筆者が7月下旬に指摘したリスクである、少なくとも短期的にもみ合いまたは小幅安の展開となる可能性が高まっている。小型のサポートを下回る前には、2022年末からの上昇ピッチフォークチャネルの上端と2022年4月の高値4,637が重なる収束レジスタンスの突破に至らなかったという経緯がある。

S&P 500月足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView

指数は、240分足チャート上の89期間移動平均線と一目均衡表の雲下端を含む4,400-4,415に向かって下落するかもしれない。とはいえ、週足チャートではモメンタムがまだ強いことから、当面は下値が限定される可能性がある。トレンドの観点から見れば、最近の記事で指摘したように、ナスダック100指数とS&P 500種指数は引き続き上昇トレンドのままだ。しかし、ここからさらに上値を目指すには、いったん値固めの展開を経る必要があるかもしれない。

--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著

ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。

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