インサイドバー(はらみ足)のパターンは金融マーケットで定期的に発生します。インサイドバー戦略をトレードシステムに組み込むことで、トレーダーのマーケット分析テクニックを向上させることができます。



インサイドバーとは?
インサイドバーは一般的な反転/継続のローソク足フォーメーションで、成立には2本のローソク足のみを必要とします。このパターンは、マーケットに起こるかもしれない「大きな動き」の前に、様子見の状態の短期的なマーケットのセンチメントを反映しています。インサイドバーは、ひとつ前のローソクの安値または高値をさらに下落または上昇させることに対するためらいを示し、マーケットの迷いを表しています。

FXのチャート上でインサイドバーを見つける方法
FXのチャート上でインサイドバーを見つけるには、以下のステップを参考にしてください。
- プライスアクションやテクニカル指標を使用してそれまでのトレンドを見極めます。
- 前のローソク足の高値と安値の範囲内に完全に含まれる内側のローソク足を見つけます。

インサイドバーを使ったトレード手法
一部のトレーダーはインサイドバーを継続のパターンと考えますが、逆方向へのブレイクアウトの可能性もあります。長い期間価格が上昇(または下降)を続けると、トレンド反転の前に価格の動きが一旦停止(インサイドバーに見られるように)します。そのためインサイドバーでは、ローソク足10本未満の期間だけポジションを保有することを目標とした、逆張りの短期トレード(またはスイングトレード)が検討されます。
しかしインサイドバーをトレードする別の方法もあり、これは、このローソク足パターンが明らかにしないものにもとづいています。インサイドバーの形成から見て取れるのは、相場が価格をそれ以上、上昇または下落させたくないという点です。これには以下のようないくつかの理由が考えられます。
- 非常に関連性の高いレポートが近く発表される。
- 相場は天井または底に達する大きな動きをした直後で、上値または下値を試す意欲がない。
理由が何であれ、収益性を高めるため、潜在的なボラティリティを求める、という動機は同じです。相場に上値または下値を探ろうとする動きがない場合、将来的にボラティリティが上昇する可能性が考えられます。インサイドバーのパターンは、相場は上値または下値を探ろうとしていることを示唆しているわけではありません。むしろ、次の大きな動きがあるまで様子見をしていることを示しています。これはトレーダーにとって潜在的な機会があることを意味します。

1) インサイドバーのブレイクアウト戦略
前述のとおり、インサイドバーは、トレンド相場におけるボラティリティの低い短期的なもみあいを示しています。そのためトレーダーは、新高値または新安値が付いた後の、ブレイクアウトでのトレードを検討できます。
下のEUR/GBPチャートでは、それまでのトレンドは安値切り下げと高値切り下げから見て取れます。前のローソクの安値を切り下げるブレイクアウトが起こり、マーケットへのショートエントリーのトリガーになりました。このブレイクアウトが、前のローソク足の高値を切り上げる形で発生した場合、それはロング(買い)のエントリーのシグナルとなり、トレンド反転の可能性を示唆します。トレンドに逆行するトレードには大きなリスクがともなうため、トレーダーはより注意が必要です。

ストップ価格は、節目となるプライスアクションが示す以前の直近の高値/直近の安値(トレンドによる)にもとづいて設定することができます。ストップを基準として使用し、このストップまでの値幅を2倍にしてテイクプロフィット(リミット)の価格を設定します。これにより、堅実なリスク管理に沿った1:2のリスクリワード比率となります。リミットの予測にはフィボナッチエクステンションを使用することもできます。
インサイドバーの信頼性は?
インサイドバーは継続または反転のシグナルなので、トレードのパターンはより複雑になります。ブレイクアウトのダマシが発生する可能性があるため、独立したパターンとしてのインサイドバーの信頼性は低く、トレーダーはトレード戦略の一部としてインサイドバーを使用する傾向があります。そのため戦略としては、インサイドバーはトレードのひとつのきっかけとみなされます。
利点 | 欠点 |
---|---|
金融マーケットで頻繁に発生する。 | 反転または継続を示唆する可能性がある。 |
有利なリスクリワード比率の機会。 | |
インサイドバーは初心者のトレーダーにも見つけやすい。 |
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