
資本主義の原始的な力が、重力の法則のようにマーケットを支配しています。あらゆる金融マーケットで、売り手と買い手の双方が満足できる中間地点での合意を目指し、戦いを繰り広げています。チャート上で価格が変動する時、トレーダーは値動きの理由を探します。しかし、価格が動く根本的な要因は、要するに供給と需要の関係です。
一般的には、ポジティブなニュースは需要の増加と供給の減少を意味していますので、結果として価格が上昇します。また、ネガティブなニュースは需要の減少と供給の増加を示しています。
本記事では、需要と供給の基礎となる以下の内容を説明します。
- 需給(需要と供給)とは?
- 需給ゾーン(需要ゾーン・供給ゾーン)
- FXにおける需給(需要と供給)
- FXにおいて需給(需要と供給)はどのように機能するのか?



需給(需要と供給)とは?
需要と供給は、金融マーケットにおいて価格決定の指標として用いられるものであり、買い手と売り手の関係とも言えるでしょう。需要と供給の力は相互に作用し、買い手と売り手の間にある均衡価格に影響を与え、最終的には需要量と供給量が等しくなっていくものです。
需要と供給の法則とは?
「供給」とは純粋に入手可能な量で、「需要」とは要求している量です。以下のグラフは、需要、供給、均衡のそれぞれを視覚的に表しています。
供給:価格と数量の関係

需要:価格と数量の関係

均衡:需要量と供給量が等しくなる最も効率的な価格

需給ゾーン(需要ゾーン・供給ゾーン)
需要と供給のゾーンは現在の金融マーケットを理解するために不可欠なもので、下のチャートに示されています。
需給ゾーンはサポートラインとレジスタンスラインの価格帯とは異なり、より広い範囲をカバーしています。広範囲なゾーンは、単一のラインや価格帯よりも信頼性の高い価格領域を提供し、将来の値動きを的確に判断することができます。
下のチャートの供給ゾーンは売り手が集中するエリアです。その理由は、このゾーンの境界から下に向けて価格が「跳ね返る」傾向があるからです。各ゾーンにおける速い値動きは需給ゾーンの特徴とも言えるでしょう。また、需要ゾーンは供給ゾーンと同じ性質を反対側に示しており、広範囲なサポートエリアのイメージです。


FXにおける需給(需要と供給)
例えば、青果市場と日々のFXにおける需給関係を比較しても、それほど大きな違いはありません。ただ、時折非常に速いスピードで動くことがあるため、初心者のトレーダーは細部を理解するのが難しい場合があります。
FXは取引される資産の背後に大きな需要があるため、世界最大の金融マーケットになっています。通貨は世界経済の基盤であり、特定の経済圏が他の経済圏と取引する場合、双方で異なる通貨を使用している際には必ず交換が必要になるのです。



FXにおいて需給(需要と供給)はどのように機能するのか?
一言で言えば、需要と供給はFXの買い手と売り手の数を分析するとわかります。
需要と供給はマーケット価格にどのように影響するのか?
南アフリカ準備銀行(SARB)が金利の変更を実施したケースを想像してみてください。需要と供給の力により、マーケット全体に連鎖反応が起こることでしょう。また、金利が上がることで、ロールオーバーした際の受け取り額が増加します。
これは、規定されているロールオーバー期間内(国によって異なる)に、ポジションを持ち越している投資家は、以前よりも高い金利を受け取れることを意味しており、それによりインセンティブが高まります。
その他すべての条件が同様であれば、買いたいトレーダーは多くなり、売りたいトレーダーは少なくなります。これは売りのコスト(ロールオーバーの支払い)が、以前よりも高くなるためです。
FXにおける需要と供給 – USD/ZARの日足チャート:

上のチャートで確認できるように、価格は適切なポイントを目指して動き、買い手がなくなるまでZARの価格(価値)は上昇します(通貨ペアの価格としては下落)。このポイントで売り手の数が買い手の数を上回ると、それに応じて価格は下がり始めるのです。
価格が十分に下がると(赤丸の箇所)トレーダーが再び動き始めます。金利の上昇やZARのロングポジションから得られるロールオーバーの追加受け取り額があるからです。この下降した価格がトレーダーの「価値判断」を示しているのです。
マーケットに買い手が参入すると、価格は需要の増加を反映して上昇します。
これは、価格が公正な価値を見出そうとするプロセスであり、世界中のあらゆるマーケットで、また様々なタイムフレームで発生しているものです。
詳しくは、需要と供給にもとづくトレードをご覧ください。
FXのトレードでの「需給(需要と供給)」と「サポートラインやレジスタンスライン」の活用
需要と供給の関係はサポートラインやレジスタンスラインと同様に重要なものです。これは、価格が特定のサポートやレジスタンスの価格帯を超えると、対象の通貨ペア内で需要と供給の変化が起こる可能性があるからです。