※2024年1月18日16時00分更新
米国の代表的な株価指数であるS&P500種指数にダブルトップが示現しているようだ。この弱気なチャートパターンの確立が確認されれば、短期的に大幅反落となる可能性がある。
S&P500見通し
- 米国債利回りの上昇が足を引っ張り、17日の米国株は下落
- S&P500は続落して下げ幅を拡大し、4,800ドルを割り込む
- 日足チャートでは、弱気のダブルトップパターンが形成されつつあるようだ
17日の米国株式相場は、昨年12月の米小売売上高が前月比0.6%増と予想(0.4%増)を上回ったことを引き金に米国利回りが上昇し、それに引きずられる形で下落した。こうした中、S&P500種株価指数は米国株式市場後場の早い時間に約0.75%下落し、4,800ドル台を割り込んで取引を終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国経済の堅調ぶりが継続し、インフレが粘り強く存在し続ける限り、政策金利の大幅な引き下げには消極的であろう。このため、市場は小売売上高の好材料にネガティブな反応を示している。
テクニカル分析に目を向けると、S&P500種指数は昨年12月下旬に新高値を更新したが、その後、失速した。先週、株価指数は緩やかに反発し、直近の高値を目指したが、すぐに下げに転じ、その過程で弱気なチャートパターンであるダブルトップが形成されつつあるようだ。
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ダブルトップは、中間の谷を挟んで同じ程度の高さの2つの山からできているチャートパターンで、しばしば強気な動きが長期化する局面で発生する弱気への反転パターンである。ダブルトップは、価格が「M」のような形を完成させ、中間の谷によって形成されたサポートレベル(ネックライン)を突破した時点で確定される。
下降リトレースメント(あや押し)の幅は、ブレイクポイントからダブルトップの高さを垂直に測ることで定量化できる。S&P500種指数の場合、ネックラインは4,700に位置している。この点を考慮すると、ブレイクダウンが4,550のトレンドライン(サポート)に向けた反落をもたらす可能性がある。さらに弱含みとなれば、4,490が焦点となる。
短期見通しはやや弱気に転じているが、4,850を上回ればダブルトップは無効となり、新高値更新への道が開かれる。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 2% | 1% | 1% |
週次 | -1% | 2% | 1% |
S&P500 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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