NY金価格は、FRBの利下げ観測後退を受け、下落している。このような中、ゴールドに対する個人トレーダーの思惑とは。そして、テクニカル面で注目すべき動きが見られる金価格の今後の見通しとは。
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NY金、米金利低下の恩恵受ける
パウエルFRB議長が、テレビ番組にて、利下げを急いでいない旨の発言をしたことや、ISM非製造業景況指数が4カ月ぶりに上昇し、米国経済が底堅く推移していることが示されたことから、FRBの利下げ観測が後退した。
金融市場では、年内4~5回の利下げが織り込まれている。FRBが示唆する3回の利下げと比べ、乖離が大きい。
金融市場では、米国経済がノーランディング(減速なし)、もしくはソフトランディング(緩やかな景気減速のみ)するとの見方が強まっており、米国景気の減速を示唆するような経済指標が発表されない限り、利下げ織り込みが一段と進展する余地は乏しいとみる。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
FRBの利下げ観測後退、米国金利上昇を受け、NY金価格は下落している。金利が付かない金は、米国金利上昇局面で相対的な魅力度が低下し、金価格が下落する傾向がある。
資料:Trading ViewよりDailyFXが作成。
金の個人トレーダーセンチメント
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約67%がネットロング(金を買い持ち)にしている。半分以上の持ち高は金に強気のネットロング(金を買い持ち)に傾いているため、IGCSが逆張り指標として機能することを勘案すると、金価格は下落する可能性がある。
また、昨日、先週と比べて金に強気のネットロングのトレーダーの割合が増加している。このことを考えると、個人トレーダーのセンチメントは金価格が下落することを示唆している。
IGCS:金
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資料:IG顧客センチメント
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NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、2,050ドルを一時上方ブレイクしたものの、FRBの利下げ観測後退を受け、下落トレンドへの反転を示唆する「陰のはらみ足」が示現した。その後、12月28日から1月17日までの値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント38.2%水準2,034ドルを下方ブレイクし、金価格の下落圧力が強まっている。
テクニカル面およびトレーダーセンチメントに弱気シグナルが点灯し、FRBの利下げ観測が後退しやすい状況の中、金価格の下落を見込む。金価格は、心理的節目である2,000ドルへの下落が視野に入る。
金価格が反発した局面では、フィボナッチ38.2%水準2,034ドルがレジスタンス転換しているかに注目。上方ブレイクに成功した場合、金価格の弱気シグナルが一つ消滅する一方、レジスタンスとなった場合、金価格の地合いが弱いことを投資家に印象付けよう。
NY金価格(スポット、ドル建)日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著