※2023年10月31日12時38分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、ユーロ/円、ブレイクアウト、ローソク足、ボリンジャーバンド - トーキングポイント
- ユーロは先週前半に上昇も、その後は下げに転じた
- 直近の上昇を受け、ユーロの弱気派が再びエントリーの可能性
- スクイーズの影響は今のところ出ていない模様。ユーロ/ドルはもっと下がるのか?
ユーロ/ドル テクニカル分析
ユーロ/ドルは先週の週明けに、下降トレンドチャネルの上辺をきれいにブレイクし、一時は1.0680付近の小型レジスタンスレベルを突破し、1.0695の高値を付けた。
その値動きにより、陰の包み足(抱き線)のローソク足パターンが形成され、価格はその後数日間、下降している。
陰の包み足の陰線は、前のローソク足の終値以上が始値になる。陰線の長さは、前の陽線を「包み込む」ように陽線より長くなり、終値は前のローソク足の始値以下となる。
この反転の動きは、下降トレンドが再開するシグナルかもしれない。
最近の上昇により、価格は21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの上限バンドを上抜けた。ただ、陰の包み足が示現したのと同じ日に、価格はバンドの内側で引けた。
この値動きにより、反転の可能性はさらに強まっている。
弱気の三角移動平均(TMA)を形成するには、価格が短期の単純移動平均線(SMA)を下回っている状態で、なおかつ短期SMAが中期のSMAを、中期SMAが長期SMAを下回っている必要がある。また、すべてのSMAが下降して(右肩下がりで)なければならない。
21日SMA、34日SMA、55日SMA、100日SMAを見ると、これらのSMAはTMAの基準を満たしており、弱気のモメンタムが進展していることを示唆している。
下降局面では、過去の安値とブレイクポイントが集まる1.0480―1.0495エリアに直近のサポートがありそうで、その下では2022年12月と2023年10月に付けた安値1.0445近辺がサポート候補になろう。
上昇局面では、55日SMAが現在、直近の高値付近にあり、この辺りがレジスタンスゾーンになるかもしれない。その後は1.0700が控えている。
次のレジスタンス水準は、1.0740、1.0770、1.0835、1.0945付近のブレイクポイントや過去の高値で、1.1075―1.1100付近にもレジスタンスとなるポイントが収束しているように見える。
ユーロ/ドル 日足チャート
資料:TradingView
ユーロ/円 テクニカル分析
ユーロ/円は先週、8月の高値を上抜け、2008年以来の高値水準で取引されたが、その後上昇の勢いは衰え、現在は直近のレンジに落ち着いているように見える。
上述したように、ユーロ/ドルには弱気のTMAが示現しているように見えるが、ユーロ/円のSMAを見ると、価格が上昇に転じた場合、強気のTMAが形成される可能性がある。
上値を抑制する要因となり得るのは、21日、34日、55日SMAが集まるエリアである。価格がこれらのSMAを上回る水準にとどまるなら、条件が満たされ、強気のTMAのチャートパターンが発動する可能性が高い。
下降局面では、ブレイクポイントと直近の安値が位置する156.50近辺がサポートとなる可能性がある。下落が続く場合は、過去の安値とブレイクポイントである154.39、153.45、151.60、151.40、151.07が注目すべき水準となろう。
上値では、直近の高値とブレイクポイントである159.50、159.75、159.90付近がレジスタンスとなる可能性がある。
ユーロ/円 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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