※2023年10月6日11時09分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – IGCS指標によるアップデート
- ユーロは9月中旬以来最大の続伸幅を記録
- 個人トレーダーは最近になって売り持ちを増やし始めた
- 売り持ち増加は強気のシグナルかもしれないが、下降トレンドは維持されている
5日のニューヨーク外国為替市場でユーロは続伸し、2日間の上昇率としては9月中旬以来最大となった。一方、個人トレーダーは徐々に売り持ちのポジションを増やし始めているようだ。この状況は、IGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する点を考慮すると、ユーロ/ドルはさらに上昇する余地があるのだろうか。
ユーロ/ドルのセンチメント見通し - 強気
IGCSの指標によると、ユーロ/ドルを取引する個人トレーダーの約65%がネットロング(ユーロを買い持ち)にしている。大半のトレーダーが買い持ちであることから、価格はこの先も下落し続ける可能性がある。とはいえ、ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、7.05%、14.98%それぞれ増加している。最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)は、ユーロがドルに対して上昇する可能性を示唆している。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 3% | 2% | 3% |
週次 | -21% | 16% | -1% |
ユーロ 日足チャート
個人トレーダーのポジション動向からは強気のシグナルが点灯しているにもかかわらず、ユーロ/ドルのテクニカル分析見通しは依然として強気になりきれない面がある。大きな理由の一つは、7月からの下降トレンドラインがより長期的な観点から上値を抑えているからである。そのため、ユーロは短期的には上昇を続ける可能性があるものの、長期的なテクニカルバイアスを弱気から強気に転換させるには、さらなる上昇が必要となりそうだ。
とはいえ、直近ではRSI(相対力指数)でプラスに転じ、強気のダイバージェンスが発生している。個人トレーダーが売り持ちをさらに増やし始める前に、すでに下落の勢いは弱まっていた。トレンドラインに到達する前に、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準1.0631を突破できるかに注目している。一方、下降に転じた場合は、100%の水準1.0436が重要なサポートとなりそうだ。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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