※2023年9月13日10時26分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート



今週の原油先物相場は今のところ、1.8%超上昇するペースで推移しており、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)も4カ月連続の上昇を目指している。これを受けて、個人トレーダーは原油に対して弱気な姿勢を強めている。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSがしばしば逆張り指標として機能することを鑑みると、原油価格はさらに上昇を続けるのだろうか?
原油価格のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、原油をネットロング(買い持ち)にしている個人トレーダーは37%に過ぎない。大半のトレーダーが売り持ちであることから、原油価格はこの先も上昇を続ける可能性がある。ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、10.17%、12.70%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、原油の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。



下図の日足チャートを見ると、米原油先物指標のWTIは12日(米国時間)、ここ数日に付けた一連の高値を上回って取引を終え、昨年11月中旬以来の高値水準まで上昇した。この上昇により、WTIはフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準88.75まで値を切り上げ、これが当面のレジスタンスとなっている。このフィボナッチ水準の上方ブレイクが確認されれば、昨年10月から続くレジスタンスゾーン92.43-93.72が意識されよう。
そうなれば、強気なテクニカル分析見通しがますます強まることになる。一方、当面のサポートは8月の変曲点84.84のようだ。そのすぐ下には50日移動平均線があり、下げがきつくなった際にこの移動線がサポートとして機能し、相場を再び上向かせる可能性がある。



原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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