※2023年8月31日10時56分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート



30日のニューヨーク原油先物相場は上げ幅を拡大し、先週からの短期的な上昇基調が続いている。これを受けて、個人トレーダーは売り持ちをやや増やしている。この点を考慮すると、米先物指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)はここからさらに上値追いの展開となるのだろうか。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。
原油相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、原油を取引する個人トレーダーの約50%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。全体的なポジションのバランスは、買い持ちと売り持ちでほぼ半々なため、目先のポジション変動から、センチメントがどのように値動きに影響を与えるかを見通すことができる。ネットショートのポジションは昨日比でほぼ3%、先週比で6%それぞれ増加していることを考慮すると、最近のポジションの変化は、価格が間もなく上昇に転じる可能性を示唆している。
テクニカル分析入門
市場センチメント
推薦者: Daniel Dubrovsky
下図の日足チャートを見ると、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は8月初めに確立されたレジスタンスゾーン81.56まで上昇している。ポジション状況が示唆しているように、このポイントを突破すれば、8月の高値84.84を再び試す可能性がある。そうなれば、6月下旬を始点とする上昇トレンドラインの上抜けも視野に入る。
50日移動平均線が100日移動平均線を上回るゴールデンクロスは引き続き効力を持っている。強気のチャートパターンであるゴールデンクロスは上値を抑制し、テクニカルバイアスを上向きに維持するのに貢献している。一方、下げ幅を拡大した場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準77.96に注視されたい。このラインを割り込むと、移動平均線が焦点となり、テクニカルバイアスが再び上向きに転じるかもしれない。



原油 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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