ドル/円、NYダウ、中国ロックダウン抗議デモ、FRB高官発言 - APAC市場寄り付き
アジア太平洋地域の市場まとめ - リスク回避でドル上昇
28日のニューヨーク外国為替市場で、ドルはほとんどの主要な通貨に対して上昇した。特にリスク動向に敏感なオーストラリアドルやニュージーランドドルに対する上昇は際立った。米国株が大幅下落し、リスク選好度が全般的に低下したことに市場は素直に反応し、ドルは買われた。ダウ工業株30種平均は前週末比1.4%安、S&P 500種株価指数は同1.5%安、ナスダック100指数は同1.41%安で取引を終えた。
月曜日の寄り付き時、中国各地でロックダウン措置への抗議デモが発生していることをきっかけに市場のムードが悪化した。先週は、ロックダウンの早期解除のめどが立たない兆候も見られた。もし中国がゼロコロナ対策を撤回することになれば、事態は急変し、相場は大きく動く可能性がある。
28日の米国市場の取引時間中に、数名の米連邦準備制度理事会(FRB)高官がタカ派的な姿勢を改めて強調した。セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁は、インフレ抑制のためFRBが2023年により迅速に利上げを実施しなければならない可能性について、金融市場は「過小評価している」と指摘した。このため、米国株は売りに押され、安全な資金の逃避先と見られているドルが上昇した。
11月28日のドルとS&P 500
資料:TradingView
11月29日のAPAC市場 - リスク選好度に注目
29日のアジア太平洋地域(APAC)市場では、目立った経済指標など経済イベントリスクは少ない。このため、きょうは一般的なリスク選好の度合いに関心が集まりそうだ。このような場合、香港ハンセン株価指数や日経平均株価など地域の株価指数は、米国株式相場の動きに追随する可能性が高い。株式市場のムードがさらに悪化することは、ドルにとって好材料となり、豪ドルやニュージーランドドルは下落するだろう。
ドル相場 テクニカル分析
日足チャートで米ドル指数は、反発する兆候が見え始めているように思われる。まず、価格はローソク足の同時線を残し、その後の28日は上昇した。これは、価格が200日単純移動平均線(SMA)を試す展開となり、RSI(相対力指数)で正のダイバージェンス(価格は下落だが、RSIは上昇)が出現したためである。正のダイバージェンスは価格下落の勢いが弱まっていることを示しており、価格は上昇に転じることもある。さらなる上昇局面では、20日SMAおよび107.99の変曲点に焦点が当てられるだろう。
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米ドル指数 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。