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原油価格見通し:米CPI後の反応、需要予測は上方修正

原油価格見通し:米CPI後の反応、需要予測は上方修正

DailyFX, Research
原著者
居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

※2023年11月15日15時22分更新

インフレ報告を受け、米金利据え置き観測が強まるなか、石油輸出国機構(OPEC)と国際エネルギー機関(IEA)はともに石油需要予測を上方修正した。原油価格の見通しとは?

米国原油価格の分析とチャート

  • 原油価格は最近の安値を上回った水準を維持
  • 需要予測は上方修正された
  • 日足チャートでは依然として強い下落トレンドが優勢

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原油相場は14日、欧州市場で小幅上昇した。前日まで最近には珍しく続伸していた。米国のインフレ指標が予想をやや下回り、利上げ観測が後退したことを受け、相場はかろうじてプラス圏に戻った。

国際エネルギー機関(IEA)はこの日、石油需要見通しを上方修正した。2024年の予測は、ほぼすべての主要経済圏で成長が鈍化するにもかかわらず、230万バレルから240万バレルに引き上げられた。とはいえ、原油価格の押し上げ効果は長続きしなかった。これは、市場では引き続き警戒感が非常に高いことを示唆している。11月の月例報告で石油輸出国機構(OPEC)は、9月以降の原油価格の大幅下落は投機筋と、ファンダメンタルズ的には堅調な市場にもかかわらず「行き過ぎた」ネガティブなセンチメントが起因していると指摘した。しかしOPECは市場のセンチメントを改善する行動はほとんど起こさなかった。OPECはまた、今年の石油需要見通しを日量2万バレル増やし、2024年については比較的強気の見通し(日量225万バレル)を堅持した。

投資家が需要の伸びを懸念するなか、原油価格には過去2カ月間、大きな下落圧力がかかっていた。こうした懸念は、主に米国と中国に集中しているが、他の主要国も、ここ数世代にないほどの高金利に直面している。OPECは、石油市場全体の供給が依然としてかなりひっ迫していると指摘し、需要減退懸念を跳ねのけようと尽力しているが、9月以降続いている弱気な見直しに終止符を打つのは時期尚早だろう。

米国がロシアによる制裁破りを取り締まるという兆候が、原油価格を押し上げていると報じられている。ロイター通信によると、米国財務省は船舶管理会社に対し、ロシア産原油の移動に対する西側の措置に違反の疑いがある100隻の船舶の詳細を求めたという。しかし、近いうちに主要生産国であるイラクからの供給が増加する可能性がある。クルド人居住地域からトルコを経由する供給パイプラインの再開に向けた協議が間もなく合意に達する可能性があると、同国の石油相が述べたと報じられている。これが実現すれば、日量50万バレルが追加供給される。

次に石油関連の主要経済指標が発表されるのは15日である。この日は、米エネルギー情報局(EIA)による原油およびその他の石油製品の在庫統計が発表される。

米国産原油 テクニカル分析

WTI 日足チャート

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価格は先週後半、7月中旬以降みられなかったレンジまで後退した後、かなり強く反発した。7月13日の高値77.34ドルが目先のサポートとして機能しており、その後は7月17日の安値74.03ドル、フィボナッチ・リトレースメント水準73.08ドルが控えている。

最近の上昇により、価格は前回のリトレースメント水準である77.78ドルを上回ったが、この水準近辺からほぼ動いておらず、この水準を上回る水準を楽に維持しているとはまだ言えない。

10月19日を始点に急傾斜している下降トレンドラインが依然としてこの市場を支配している。9月28日に付けた95ドル超の高値圏から一気に下落が加速したことで形成されたこの下降トレンドラインは、強気派に79.31ドルという魅力的な直近の目標価格を提供している。今週の終値でこのレベルを突破できなければ、かなり弱気な相場だと証明されそうだ。市場全体の出来高と建玉が減少しているにもかかわらず、週明け13日に相場が上昇したことは注目に値するが、上昇が持続するかについては疑問が残る。

IGクライアント・センチメント(IGCS)指標によると、現在の価格では圧倒的にネットロングが多く、IGCSが逆張り指標として機能する傾向を考慮すると、価格は今後下落する可能性がある。

WTI原油 混合
データ提供:
の顧客はネットロングです。 の顧客はネットショートです。
変動 ロング ショート 建玉
日次 9% -2% 7%
週次 -6% 14% -2%
プライスアクションとの関連性
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--- DailyFX.com デイビッド・コトル著

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