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ソニーグループが14日に発表する2024年1-3月期決算は増益が予想されている。注目度が高いゲーム事業や半導体事業の利益が伸びる見通しで、投資家にとっては良いニュースといえそうだ。ただ、ゲーム事業や半導体事業は成長性に問題を抱えており、1-3月期の増益だけで投資家を満足させられるかは不透明。ソニーグループの株価が2024年に入ってから伸び悩む中、2024年度の業績予想で明るい今後の見通しを示せるかどうかにも注目が集まりそうだ。
ソニーグループの1-3月期決算は営業増益の見通し
ソニーグループは14日午後3時に1-3月期決算を発表し、4時から会見を開く。LSEGのまとめによると、1-3月期の総収入は前年同期比5.6％減の2兆8720億円の見通し。営業利益は59.9％増の2343.2億円と予想されている。
ソニーグループの株価（6758）は2022年に30.67％安となった後、2023年は33.63％高と反発した。7日の終値は1万2680円で、2023年末比では5.44％値下がりしている。日経平均株価（N225）が16.05％高となっていることを考えれば、不振が際立つ。
LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率（PER）は15.80倍で、前回（10-12月期）決算発表前にあたる2月上旬時点の17.14倍よりは割高感が和らいでいる。ただ、パナソニック・ホールディングス（6752）の8.68倍よりは依然として割高とみることもできる。株価純資産倍率（PBR）は2.03倍だ。アナリストが提示する目標株価の平均は1万6585.03円で、現状よりも31％ほど高い。27人のアナリストのうち8人が強い買い、16人が買い、3人が維持を勧めている。
ソニーグループのゲーム事業や半導体事業は収入の伸びに不安も
ソニーグループの1-3月期の減収予想は、金融事業の収入が前年同期から大きく減少するとみらているため。LSEGのまとめでは金融事業収入は前年同期比43.0％減の2682億円が見込まれている。一方、1-3月期の営業利益の増加にはゲーム事業や半導体事業が貢献するもよう。ゲーム事業の営業利益は前年同期の2.1倍になる見通し。半導体事業も37.8％増が見込まれ、好材料といえそうだ。
ただ、両事業に期待される成長性に関しては、投資家が納得しない可能性がある。LSEGによると、1-3月期のゲーム事業の収入は前年同期比3.9％減となる見通しだ。ソニーグループは2月の10-12月期決算発表に際して、家庭用ゲーム機「プレイステーション（PS）5」の2023年度の販売目標を従来の2500万台から2100万台前後に引き下げ、投資家の失望を買った。この際、ソニーグループは2024年度のPS5は発売から5年目に入っていくことを踏まえ、「販売台数は緩やかに減少していく」と説明している。
また1-3月の半導体事業の収入は前年同期比14.3％増となり、10-12月期の21.1％増からは勢いが弱まる見込み。ソニーグループはやはり2月の決算会見で、スマートフォン向け画像半導体の北米市場の前年割れが続いていることをマイナス材料として挙げ、十時裕樹社長は2024年度の半導体事業は「緩やかな売り上げ成長を見込んでいる」とした。
投資家が成長性と収益性の両立を求める中、ソニーグループは成長性の面で不安を抱えているといえる。金融市場ではソニーグループの2024年度について、ゲーム事業の収入が4兆2110億円、半導体事業の収入が1兆7020億円と見込まれており、ソニーグループが14日の決算発表に際して、こうした数字を超える予想を示すことができるかどうかも、今後の株価の見通しを左右することになりそうだ。
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